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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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恋愛専科 ミズタマ 芳文社 既刊1巻



師走の忙しさと個人的な事情も相俟って、約2週間振りの投稿になってしまいました。2010年の終わりが迫る中、今回もレヴューし損ねていた作品を紹介。今年の夏に第1巻が発売された作品です。

名門の私立女子校として名を馳せる櫻小路学園には、一芸に秀でた者やワケあり生徒を、正規の学力試験を経ずに奨学生として集めた特別クラスがあった。女性が苦手ながらも女子校の教師となった新任の薮田信太は、特別クラスの担任を任されることになった。特別クラスの名は、「恋愛専科」。男性に愛されることこそ一流の女性という理念に則り、恋愛専科の生徒たちは、担任とキスをすることが、主席としての栄誉を得るための課題であると命じられる。生徒、担任の運命は。そして、学園の思惑とはいかに。

女性が苦手な男性がハーレムに飛び込むという、ラブコメとしては典型的な設定。担任教師は、思いもしない事態に失神してしまう事態に。しかし、生徒の方が持つ事情は様々。お嬢様の苦悩、男性に対する苦手意識、百合… 結構色々な要素が満載。1巻では、途中茜と雪緒とのエピソードが多めに描かれ、2人の事情が明かされる。この先それぞれの登場人物の過去や内面について掘り下げていくことになれば、深みが出てきそうな感じがする。

そもそも、なぜ学校はこんなクラスを設けることにしたのか。その謎はまだ明らかにされてはいないが、1巻の最後の部分から、学校には何かしらの思惑があるようなことがわかる。物語はまだまだ始まったばかりで、今後どのように転がっていくのかはわからない。

ちなみに余談だが、タイトルと中身から、「恋愛専科で恋愛せんか」というオヤジギャグが浮かんでしまったのは、自分ひとりだろうか…
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ラズ・メリディアン 結賀さとる 秋田書店 全6巻



さてさて、2010年も師走を迎え、いよいよ終わりが近づいてきた感がある。年が変わる前に是非取り上げておきたいと思ったのが、本作。作者初の少女漫画で、今年の1月に最終巻が発売された。

高校生の間白マナの隣家に引っ越して来たのは、幼いころにさんざんいじめられたという嫌な思い出しかない、竹井千尋だった。今まで、不思議なことなど起こらない、平凡な高校生活を送っていたマナだったが、千尋にもらった指輪で、異世界"アヴァロン"へ召される。マナはそこで、伝説の王、アーサー王に仕えていたという騎士、ランスロットに出会う。ランスロットもまた、自らの世界"キャメロット"から"アヴァロン"へと飛ばされてきたのだった。マナは、ランスロットを元の世界へ送り返すべく、現実の世界と異世界の間を行き来することになる。そして、ランスロットとの秘密が千尋にも知られてしまい、ひょんなことからランスロットも現実の世界で暮らすことになる。

マナ、千尋、ランスロットの三角関係や、それにマナの友人ナガちゃんを加えた四角関係といった、少女漫画の王道と言えるような展開を中心に据えつつも、友人関係、両親との関係、将来の進路などの問題と悩み向き合う、繊細で多感な高校2年生という時期もテーマとして扱った作品。マナのことや自分の出自について悩む千尋、ランスロットに告白し思わず涙するマナ。多感な時期を生きる高校2年生が登場する舞台にマッチした、平凡で、しかしきらめきに満ちた作品舞台が素晴らしい。

霧が深く、歪んだ世界とされる"アヴァロン"には、現実世界のそっくりさんがいる。彼らは、マナ達に何かを訴えかけている。彼らが"アヴァロン"と現実世界の架け橋となり、、時に微笑ましく、時に大事なことを教えてくれるという設定は楽しい。

物語のラストで"アヴァロン"の霧が晴れたのは、それぞれの人物が心の奥底にしまいこんでいた過去を解き放ち、現在の自分に向き合う準備ができたことを象徴する。まだまだ、彼らの物語は続く。

ランスロットがかつて魔の手に操られることで"キャメロット"に起きた事件は重いけれども、全体としては殺伐とした感じはない。同じ作者の『E'S』の雰囲気とは大分異なる。最強の敵とも思えるモルガンとの戦いも、無血での決着を迎えた。最後まで"アヴァロン"は御伽噺のような世界を維持し続けた。ゆったりとしていて、それでいて滔々と流れる時の中で、優しいファンタジーが紡がれている。読むと温かい気持ちになれる作品だ。
PandoraHearts 望月淳 スクウェア・エニックス 既刊13巻



「首狩り」事件の謎を追い、一同はオズの社交界デビューを口実に、イスラ=ユラの屋敷へと赴く。パーティーの最中、イスラ=ユラの屋敷内で首無しの死体が発見され、調査を進めようとしたパンドラの人々も次々と首狩りの餌食となっていく。首狩りの魔の手は、レイムにまでも及ぶ。

過去の回想を除けば、最も凄惨な事件が発生した巻と言えるだろう。イスラ=ユラの屋敷内は大混乱を迎え、こっそりと忍び込んでいたバスカヴィルの民も、彼らと似た格好をした者達の行動に翻弄される。そして、屋敷内で封印の石がある場所に辿り着いたオズとアリスの運命はいかに。

緊迫した中、今まで謎に包まれていた、バスカヴィルの民、ナイトレイ家、首狩り事件の関係が、少しずつ1本の線へと繋がっていきそうなエピソードも綴られる。ブレイクだけがバルマ公から仕入れた情報である、首狩りの主犯者とされるチェイン、ハンプティ・ダンプティの記録と、偶然リリィの口からレイムが伝え聞いたものとの関係は。しかし、彼の死をもって、その秘密は封印されることになってしまった、バスカヴィルの民の秘密。これらのエピソードが伝えるものとは何か。

今まで地味ながらも随所で登場し、ブレイクの唯一の友でもあったレイムの死は、非常に衝撃的であった。12巻で「素晴らしき"なんでもない日"」の記録として1枚の写真に収められた者達の再会は、永久に叶わぬものとなってしまった。

ちなみに、本編のシリアスな内容とは一変してはっちゃけた内容のおまけ漫画は、この巻でも継続。


▼過去の記事▼
『PandoraHearts (1)~(10)』
『PandoraHearts (11)』
『PandoraHearts (12)』
シューピアリア・クロス ichtys スクウェア・エニックス 既刊4巻



王子の下で働く科学者レネの弟、クリスは、城をモンスターから守る防御装置を無力化する装置を発明していた。レネとともにモンスターの巣窟となっている村を訪ね、クリスを探し出そうとする一行。レネ・クリスの兄弟が、互いのわだかまりを解き、さらに強力な防御装置を開発しようと手を組んだものの、時既に遅し。モンスター側に加担していたクリスの背信行為がばれて、クリスは殺される。悲しみに暮れるのも束の間、一同は王子の命により、魔王討伐のためエクサの故郷へ向かうことになる。3巻までのシリアスな展開から一変し、桃太郎のパロディによるギャグ調の話から入りつつも、徐々に物語の核心へと迫っていくことになる、緊迫の第4巻。

シーラへの疑いと信頼という相反する感情がエクサの中で最高潮に達した時、ついにシーラは自身の素性を明かす。シーラは何もかも包み隠さず話した。自分はかつて魔王として罪を犯したこと、実は魔王のコピーが存在すること、勇者や仲間と旅を続けるうちに壊したくない関係を築けたこと。しかし、エクサの今までの気持ちは一気に崩れ去った。自分の父母を殺め、村を破壊した魔王を倒さなければならないという使命に目覚めたエクサの表情は、ただ1点だけを見つめていた。

どんなモンスターも殺さないとしつつ、魔王のみを倒すという矛盾した信念を抱えてきたエクサだったが、魔王とわかったシーラには迷うことなく立ち向かった。今まで刻一刻と迫っていた、決断の時、真実が告げられる時がついに訪れた。やはり暴力に対しては暴力しか対抗すべき手段がないのだろうか。

一方、シーラは育ての親であるモンスターのカガミから、自らは魔王の血筋を持ったものであると明かされる。血縁という抗えない運命の重みが、新たに彼女にのしかかる。血縁の呪縛に対して自分なりの答えを見出すことができたアンジェリカや、レネ・クリス兄弟のエピソードがあった後だけに、ますます悲劇的な事実として、それはシーラの心に影を落とすことになろう。また、シーラはカガミから、魔王として生きる気がないならば必要ないと宣言されてしまい、また1つ悲しみを負う。

残虐で、強大な力を持った魔王の暴力性はどこから来るのだろうか。魔王のコピーが内面に持つ悲痛な想いからしても、他人から認めてもらえない苦しみ、他人を信じられない苦しみこそが、悪の根源なのかもしれない。


◆過去の記事◆
『シューピアリア・クロス(1)』
『シューピアリア・クロス(2)(3)』
さよなら絶望先生 久米田康治 講談社 既刊23巻



超ネガティブ教師の糸色望と、彼が担任する2のへ組の生徒による一話完結型ギャグ漫画。単行本は23冊目を迎えた。

久々に笑ってしまう台詞に出会えたのが、23巻。アニメ産業に群がる独身貴族を風刺した「ハルヒが買えないならけいおんを買えばいいじゃない」(第二百二十六話)には、思わず大笑いしてしまった。

世の中の変なところ、人間の困ったところに次々とメスを入れていく鋭さはまだまだ健在。切られた尻尾の方が優秀なのではという話など、社会に向けて鋭く切り込んでいく。最近の傾向として気になるのが、ちょっと難しい用語の多用である。今回で言えば、ミランダ警告、カプグラ症状、ゴーストフィッシング… 難しい言葉を持ち込んでインテリにしかわからないという雰囲気を出す作品として、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』を批判した話が過去にあったのだが、同じ傾向に自ら陥ってはいないかと思ってしまう。諸々のことから逃れた者が集う地である、避暑地ならぬ「避諸地」、本来とは逆の順序で物事が進むことを風刺した「ポロロッカ現象」など、数々の名言を生んできた本作のことを考えると、ちょっと残念な傾向である。

一方、最近は徹底的に時事問題を扱うというわけではない分、ネタの風化は少なくなったように思う。4年前は非常に頻繁に出てきたサッカー日本代表ネタもほとんどなかった。すなわち、良くも悪くも、言葉やネタが時間や場所といった文脈を超越するようになってきていると言えるのではないだろうか。

読者投稿欄には、アニメ第4期を待ち焦がれる声が既に挙がっている。アニメ化の実現に向け、重要な時期に差しかかっている。


□過去の記事□
『さよなら絶望先生(1)~(19)』
『さよなら絶望先生(20)』
『さよなら絶望先生(21)』
『さよなら絶望先生(22)』
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊20巻



節目の20巻。表紙は花の弟、葉で、久々の男性キャラとなった。

受験勉強が本格化する中で、品川と八王子の関係に焦点を当てたのが19巻だったのに対して、20巻では最近影の薄かった和泉や千葉のエピソードも挿まれ、非常にバランスが取れているように思う。和泉のエピソードでは宮崎、千葉のエピソードではマコトと、すっかりご無沙汰の人物も出て来るところがまた良い。自分の進路、他人の進路で悩む千葉と和泉。自分なりの答えを見出した2人は、さらに強い気持ちで目標へと前進していくことになるだろう。また、それなりの出番を与えられていた尾張小牧、宮城さくら、長老こと和歌山シンゴらの進路も決定した模様。このあたりの配慮が素晴らしい。

進路といえば、20巻の1話目となる、177話の三者面談のエピソードはなかなか感動的。品川に「おまえは紋白高校の希望だな」と温かい言葉をかける堺先生は、これまでにない存在感を放ち、いい味を出していた。

また、メインイベントとなる予備校の冬期講習では、関西の秀才、神戸太陽が登場。個性的なガリ勉君を毛嫌いしていた品川だったが、ひょんなことから神戸に勉強のアドバイスを受け、成績は急上昇。勉強に目覚めていく品川の姿から勇気をもらった。神戸の姿に大紫学園時代の自分を重ねた品川は、神戸と殿様大学での再開を誓い、合宿所を去った。

個人的には、最近のような受験や進路が話題になることの多い展開も好きだが、このような展開だけでは、ともすると読者を離してしまう恐れはある。かつてのノリを思い出させるような特別編(『マガジンSPECIAL』収録)には、懐かしさを感じてしまった。次巻では、品川の姉、海里と元紋白高校生徒会長の秋田との恋愛話も取り入れ、少し毛色を変える模様。


■過去の記事■
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(13)~(16)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(17)(18)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(19)』
となりの柏木さん 霜月絹鯊 芳文社 既刊2巻



オタクな高校生、桜庭雄斗と、隠れオタクの柏木琴子が繰り広げる微笑ましいラブコメの第2弾。絵師Sayaneの人気が急上昇する中、雄斗の気持ちは複雑だった。うっかりSayane本人である柏木さんの前で、「冷めちゃったりしない?」と言ってしまい、柏木さんはショックを受ける。しかし、冷静になって自分の言動を振り返った2人はお互いに謝り、関係は修復する。そして、ついに柏木さんは、自らがSayaneであることを打ち明ける。望外の喜びを得た雄斗だったが… 一難去ってまた一難な展開。

今回の帯のメッセージは、「お絵かきSNSで始まった恋は楽しくて、ちょっぴりむずかしい。」。正直、これが本書の内容を実に巧く言い表していて、これ以上の言葉は不要にさえ思えてしまう。これまで雄斗にとっては、3次元の憧れ=柏木さん、大好きな絵師=Sayaneという単純な構図があった。しかし、この4つの項がすべて等号で結ばれることになった今、これまでとは違った人間関係が発生する。雄斗の性格は、どこまでも真っ直ぐだ。ストレートに謝る潔さはあるけれど、周りが見えなくなってしまう危険も秘めている。そんな性格が災いを生んでしまう。現実は厳しい。

柏木さんにとっても、現実はシビアだ。自分が絵師Sayaneであると晒したことで、雄斗との距離を縮められたように思えたのも束の間。柏木琴子とSayaneは同一人物であるはずのに、雄斗の気持ちはもう1人の自分であるSayaneの方へ向かう一方。

近づいては離れ、また離れては近づく。人間と人間が関わるって素晴らしい。だけど同時に、人間と人間がわかり合うのは難しい。そんなことを考えずにはいられない作品。

ちなみに、Sayaneという名前の半分(ne)は柏木琴子、もう半分(Saya)は、親友の福田清花に由来するのであろう。実は、本作は清花のエピソードにも結構ページを割いている。柏木さん大好きな福田清花と、雄斗の友人、草野和樹の間に恋が実るのかにも、注目。


◇過去の記事◇
『となりの柏木さん(1)』
勤しめ!仁岡先生 尾高純一 スクウェア・エニックス 既刊5巻



子ども嫌いな中学校教師、仁岡と、自称不良の真面目ちゃん、浅井、自称現代っ子、今江、とことん遊びに走る上原、勉強秀才で人付き合いが苦手な前田らの生徒、中学生の美にはまる教師、河原姉弟、浅井の気を惹こうとして躊躇わないトンデモ教師、校長を中心とした面々が繰り広げるギャグ漫画。相変わらず破天荒な展開の続く、第3巻。

珍しく、新キャラの登場はなし。既存のメンバーの相互交流のみで進む。子どもに意地悪をする教師として職務を全うしようとする仁岡だったが、自らの子どもらしさを露呈させることになってしまった。そんな2巻までの傾向が更にパワーアップした。生徒を困らせようとしているのに、逆に生徒の暴走に巻き込まれて痛い目に遭ったり、雪が降ってきたことに小躍りして喜んだり、お化けを怖がったり…

メインの女生徒達も毎回いい味を出している。グレてやると言い、必死になって仁岡のことを先公と呼ぼうとして混乱する浅井、仁岡との距離がある意味縮まってきた上原、ますますミニ仁岡としての性質を帯びてきた前田に、1番ほのぼのとした人物になってきた今江。

相変わらず、言葉と登場人物の行動できちんと笑いを取れる、4コマとしての質の高さは維持。見逃しがちだが、それぞれの4コマのタイトルも、よく練られている。漫画の内容を見事に要約していたり、時に唯一のツッコミ役として機能していたりと、読み終わった後にチェックしてみると、面白さが増す。

番外編の、仁岡の高校時代も必見。


▼過去の記事▼
『勤しめ!仁岡先生(1)』
『勤しめ!仁岡先生(2)』
神のみぞ知るセカイ 若木民喜 小学館 既刊10巻



アニメスタートということで、書店では9巻までが平積みにされていたり、最新の10巻が品切れになっていたりと、一気に名を広めている模様。さて、1ヵ月遅れになってしまいながらも、記念すべき第10巻のレヴューを。

前巻では、五位堂結の攻略中、男女入れ替えというハプニングが起こるという事態に。そして、女と化した桂馬が出会ったのは、2人目の攻略対象の青山美生だった。

まさか美生が女神かという期待が高まると、実は違いましたという展開だった。しかし、再び可能性を示唆させるような描写もあって、本当に作者はこの辺りの塩梅が巧い。まだまだ謎は保留。

今回は、桂馬が女性用の恋愛ゲームの理論に基づき、男性化した女性に自分を攻略してもらうという、少しひねた設定となった。親からの自立という、思春期・青年期の課題も描かれ、今まさに壁にぶつかっている人にとっては、勇気付けられる内容だったかもしれない。

さて、間髪入れずに、話は檜編へと突入。かつて驚異的な人気を誇ったという春日楠の姉が登場となる。作者曰く「神のみ史上もっとも重たい」という檜編。人間が巨大化するという、笑ってしまうような設定の裏に隠された重さとは。

このように、たまに前の攻略対象が現れるのは、実に巧みな設定だなと思う。主人公の時間軸が4月を迎えたときに、かつての教育実習生、長瀬純が戻ってきて…という可能性も考えてしまった。

主人公の知らないところで、駆け魂を巡る謎の駆け引きも起こっている。勢いに乗っている本作の今後の展開はいかに。


●過去の記事●
『神のみぞ知るセカイ(1)~(6)』
『神のみぞ知るセカイ(7)』
『神のみぞ知るセカイ(8)』
『神のみぞ知るセカイ(9)』
外つ神 斎藤岬 幻冬舎 既刊3巻



霊や悪霊である外つ神が出てくる塚を守るのが、外つ神守。高校生の鳴神匡は、祖母の死をきっかけに、突如外つ神守としての役割を任されてしまうことになる。同級生の野々宮千景、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、匡は鳴神家としての責任を果たすべく、地域の妖退治に奔走する。

妖怪退治の漫画だが、メインの登場人物の組み合わせが面白い。高校生の主人公(男子)、その同級生(女子)、クラスの副担任、その従妹と友人。しかも、同級生以外は、皆主人公の同居人となる。これが、同年代が集う不思議な部活という設定だったら、無数にある部活漫画の中に埋もれてしまったかもしれない。外つ神守を担う家は、全部で12あるという。2巻・3巻では天生家が登場し、3巻の終わりでは御厨家の人物が姿を現した。外つ神守の権力闘争もある模様で、今後争いがどのように描かれるのか、楽しみ。

スタイリッシュな絵で、妖怪ものに相応しく、少し重い感じの雰囲気が全体を通して醸し出されている。それでいて、案外表情豊かな主人公によって、雰囲気が重くなりすぎないようになっている。クールな千景も、「鳴神君といるとドキドキする」(恋愛感情ではなく)とサラッと言ってしまう辺り、実は天然なのか。そして、妖怪退治ものとは思えないくらい、カラフルな表紙も、ギャップがあって面白い。

主人公の腰にある痣に込められた封印、強大な力を誇るという狐塚家など、まだまだ謎も多い。地味ながらも、ちょっと変わった組み合わせの人間が集まる物語を楽しみたい人にお薦め。
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