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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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外つ神 斎藤岬 幻冬舎 全10巻



突如外つ神守として妖の管理を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿を描いた物語も、ついに幕引きとなった。鳴神家の2階で封印されていた、真菰凛音が現れてから、すっかり事件続きの匡達だったが、いよいよこれまでにない強大な陰謀を持った人物が登場する。カラフルな表紙が目印の本作の最終2巻は銀、そして金色の表紙となった。

千影と凛音の2人から好かれ、困惑する匡。修学旅行なども絡み、今までで最高レベルにラブコメ要素満載となった終盤であったが、そんな日常を裏に、密かに巨大な計画が進んでいた。首謀者は、かつて鳴神家にも登場した外つ神守、御厨であった。彼は、魔王クラスの力を持った妖の力を得て、世界支配を企んでいた。ここにきて、最強の敵と対峙することになった。

無事御厨の陰謀は阻止し、平和になった世界。匡にもこれまでと変わらない日常が戻ってきた。相変わらず、千影と凛音のどちらを選ぶでもない状態の匡は、ある意味でハーレムエンディングを迎えたとも言えるのか。作者もあとがきで語っているように、今後の物語がまだまだスピンオフででも続きそうな予感すらさせる終りであったが、外つ神守の物語はひとまず終結した。作者は既に次回作に取り掛かっているようで、まずはその発売を楽しみに待つとする。是非、また外つ神の続きを読みたいものだ。


◆過去の記事◆
『外つ神(1)(2)(3)』
『外つ神(4)(5)』
『外つ神(6)(7)』
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orange 高野苺 双葉社 既刊3巻



高校2年生の自分に届いた10年後の自分からの手紙。転校生の翔を救ってくださいと書かれた手紙に戸惑いながらも、自分なりに翔の助けになろうと決めた菜穂だった。そんな折に、実は友人の須和にも同じような手紙が届いていたことを知る。運命を変えるべく、2人は協力することを誓い合う。

長野県を舞台にした青春物語の第3巻。未来の自分から来た手紙を頼りに、転校生の翔を救おうとする菜穂と須和だったが、自分達が未来を変えようとすることで、本来起こりえなかったことも起こっていることがわかり、自分達がすべきことは何なのか、確信が持てなくなってしまう。翔と見事両想いになった後も、翔の背負うものに対して自分がどこまで力になれるのか不安になり、一歩を踏み出せない菜穂。それでも菜穂と須和の2人は動く。翔の幸せのためを思って、という軸からぶれないように。本当は菜穂のことが好きなのに翔との恋愛を応援しようとする須和の行動がイケメンすぎる。

3巻のラストでは、他の友人達も皆未来の自分から手紙を受け取っていたことを告げる。将来の翔と自分達のために、皆が動き出そうと決めるシーンは青春らしさ全開で心が躍る。切なさの中に秘められた微かな希望を頼りに、今後も見守っていきたい。


☆過去の記事☆
『orange(1)(2)』
せっかち伯爵と時間どろぼう 久米田康治 講談社 既刊3巻



人類よりもはるかに進化し、時間移動を可能にした上人類に属するサンジェルマン伯爵が、現代に暮らす人類のもとに降り立ち、毎回ハプニングを起こす物語。上人類にとって、時間は最も貴重なものであるが、その時間を人類の中で最も無駄に消費しているのが、日本の高校生、時只卓である。彼らを中心にしたしょうもないギャグは絶好調で、3巻では1冊にわたって卓の冒険が描かれるという新しい試みも見られた。

相変わらず、絶望先生終了後は下ネタのタガが外れたようで、ギャグの基本は下ネタである。よくもまあこんなに思いつくものだと感心してしまう。また、積極的に描かれる有名人達も、本作の売り。大ヒット映画の主演男優やら、ニュースを騒がせたあの人やら、続々と登場して見事にネタにされている。

本作は時が重要なテーマになっているので、作品自体が時を意識させることが多い。第1巻の冒頭から読者を引き込んだ、まずオチから見せて、徐々に時を遡りながらオチに至る過程を辿っていくという手法は、3巻の時只卓冒険譚でも用いられている。

どこに向かおうとしているのか、若干心配な部分もある漫画ゆえに、今後も見守っていきたい。


◎過去の記事◎
『せっかち伯爵と時間どろぼう(1)』
月刊少女野崎くん 椿いづみ スクウェア・エニックス 既刊5巻



大人気少女漫画家の男子高校生、野崎梅太郎と、彼を取り巻く人達によるコメディの第5巻。季節は夏を迎え、演劇部の夏合宿など行事は盛りだくさん。相変わらずボケとギャグに溢れる展開は、爆笑必至だ。

テレビアニメ化もされ、話題沸騰の本作。雑誌編集者の2人が表紙を飾ろうとは、おそらく連載当初は作者も想像していなかったであろう。野崎を中心とした高校生たちのちょっとずれた日常の1コマはもちろん、雑誌の表紙デザイン決定の舞台裏や、作品の設定が他の作品と重なってしまう事件など、漫画に関する小話が充実しているのも、本作を読む楽しみの1つだ。

野崎と佐倉、若松と瀬尾の関係は、近づきそうに思えて、なぜか距離が縮まない。少女漫画のタッチで描かれる作画でありながらも、恋愛要素はあくまでコメディタッチで描く作者の姿勢がすがすがしいとすら思える。ますます勢いづく本作。6巻の発売も楽しみだ。


☆過去の記事☆
『月刊少女野崎くん(1)~(4)』
もうそうのアキ たら子 マッグガーデン 全3巻



妄想癖を持った23歳のフリーター、坂本アキが現実に立ち向かう物語。バイト先の年下の大学生、館山に失恋し、意気消沈のアキだった。加えて、アキの妄想癖の原因となった人物、里見まで登場し、アキの心は沈む一方であった。ところが、館山とのデート、里見との再会を通して、アキは久我山との距離を少しずつ縮め、久我山への恋心を抱いているのではないかを考えるようになる。妄想女子によるコメディーの最終巻。

3巻は、これまでさりげないイケメンぶりを発揮してきた久我山との恋愛が軸になる。これまで恋愛対象としては考えられなかった久我山は、実はアキが最も自然体で接することのできる人物であった。バイトの仲間との交流を通して、得意の妄想を発揮するのではなく、純粋に目の前にいる人と関わり、その人のことを知っていく楽しさに目覚めていくアキ。久我山についても例外ではなく、周囲の後押しもあって、徐々に久我山のことを意識していくのだった。

生来の妄想癖を抱えたアキあったが、久我山と関わっていくことで、妄想から徐々に抜け出し、現実世界で恋愛することに向き合うようになっていく。アキの成長と久我山との関係の進展とが重なって描かれる終盤の展開は感動もの。可能性を切り拓いた23歳の女性の人生はまだまだこれから。そんなことを感じずにはいられない爽やかな締めくくりであった。ちなみに、番外編として収録されている、「思い出のなつお」は、アキの高校時代からの友人であるなつお、とーこ先輩との出会いが描かれた秀作で、最後まで楽しむことができた。


●過去の記事●
『妄想のアキ(1)』
『妄想のアキ(2)』
カラフル・クロウ 秋乃茉莉 秋田書店 全3巻



和歌山から東京へと転校してきた絶滅危惧種ヤンキー、鈴木宙と、烏守神社を守るカラスのクロウの物語の第3巻にして最終巻。マンション建設計画を阻止するために起請文を交わした2人だったが、そうこうしているうちに高園稲荷からの攻撃を受け、宙とクロウの関係はピンチを迎える。

これまでの謎であった烏守神社の起請文の意味、宙の友人、由那の正体、立花家の秘密など、すべての謎が明かされ、二宮みことと立花沙織というダブルヒロインの関係もめでたく落ち着く。まさに大団円を迎える最終巻であった。結果として烏守神社は取り壊されてマンションとなってしまったが、宙とクロウの友情はまだまだ続く。一昔前のヤンキーを主人公に据えたからこそできる、爽やかな青春物語に相応しいラストだったと思う。


■過去の記事■
『 カラフル・クロウ(1)』
『 カラフル・クロウ(2)』
僕らはみんな河合荘 宮原るり 少年画報社 既刊5巻



親の転勤を機に、高校生から一人暮らしを熱望した宇佐は、家賃が安く、賄い付きであるという条件を親から提示され、河合荘というところでの下宿を決意する。しかし、そこは変人の巣窟であった。憧れの河合律先輩は読書オタクのぼっち、同室の城崎はドMの変態、OLの麻弓は巨乳美人だが性格に難ありで男運ゼロ、女子大生の彩花は計算ずくで男心を鷲掴みにする悪女… 中学時代に変人達とうまく付き合っていたゆえに、変人処理班、略して「変ショリ」と呼ばれていた宇佐は、またしても変人に囲まれる生活を余儀なくされるのだった。

アニメ化を機に、原作も購入してみた作品。本作の魅力は、何といってもヒロイン河合律の魅力に尽きる。読書好きで1人でいることが苦でないために、いつの間にかぼっちキャラの地位を獲得してしまった彼女だが、時には人との関わりが欲しいと思うことはあるし、大好きな本について語り合える人がいればと思うこともある。そんな律が、不器用にも宇佐をはじめとする河合荘の人々と関わる中で時折見せる豊かな表情や仕草に魅せられる。

また、個性的な人々が集まり、かなりひどいことを言ったりしつつも、何だかんだで互いを尊重し、大切にしている河合荘の雰囲気も、読者として温かい気持ちになる。特に、宇佐が中学の友達とその合コン仲間からひどい扱いを受けた時の河合荘全員による救出劇や、麻弓が高校の同窓会に行った帰りに城崎が迎えに行くエピソードは微笑ましく、互いを認めてくれる仲間の素晴らしさを感じられる。そして、皆の心の支えとなっている寮母の河合住子は、河合荘を象徴するかのように変わり者を自然と受け入れられる広い心の持ち主で、物語の中でも重要な役割を果たしている。

本作の随所に出てくる下ネタは好き嫌いの別れるところであろうが、それはあくまでセリフまわしでのこと。ヒロインのパンチラなどは皆無で、絵の面で一線を越えることがないのが、むしろ爽やかとも言える。
瑠璃宮夢幻古物店  逢坂八代 双葉社 既刊1巻



ここは、美人店主、瑠璃宮真央が営む、静かな住宅街の片隅にある古物店。その店にやってくるのは、自分の心や人間関係に何か問題を抱えた人々である。悩みを抱えた人々に店主から勧められるのは、謎の古物。人間が特別な思いで使い続けた道具には、不思議な力が宿るため、その道具を手にした人間は、大きな力を手にする。しかし、力をどのように利用するのかは手にした人間次第である。人生を豊かにするも、破滅に追い込むのも、すべては使い方によるのだ。本書は、瑠璃宮と古物店に集まる人々の交流と、道具を手にした人間の結末を描く。

かつて本ブログでも熱心に取り上げた『魔法行商人ロマ』を彷彿とさせるストーリーだが、本作の方がさらにブラックな感じがする。登場人物の抱えている問題、道具の使い方を誤った者に与えられる恐ろしい結末など、やはり少年漫画の枠を超えているだけに、ワンランク上の怖さがある。

そして、本作の最大の特徴は、道具を手にした人物たち同士の交流である。1話ごとのオムニバス形式のように見える物語だが、話が進むにつれて、かつての登場人物やその関係者が現れ、関わりあうことで、物語が重層的になっているのだ。また、瑠璃宮真央の思想は、道具を手にした後の人生はまったくもって本人次第というものだが、道具の使い方も指導すべきと主張する人物である横溝ゆかりという人物も現れる。人間の際限ない欲望を叶えるための手段が、これらの不思議な道具だと思うが、そこに指導を入れることは正しいのか。好対照をなす2人の思想のぶつかり合いには、人間の幸せは誰が決めるのかという、根源的な問いがあるように思う。
PandoraHearts 望月淳 スクウェア・エニックス 既刊22巻



オズの正体は、チェインであった。そして、オズの陰に潜み、ベザリウス家に厄災をもたらす元凶となってきたのが、他でもないジャック=ベザリウスだった。自らの運命に絶望感すら覚えるオズだったが、叔父であるオスカー、そしてこれまでともに行動してきた仲間たちの愛情を感じることで、再び勇気を取り戻す。一方、グレンは自らの願いを叶えるべく、着々と準備を進める。パンドラやバスカヴィルの民が欲してきたアヴィスの意志に手を伸ばし、過去を変える行為を今にも始めようとするのだった。過去の改変を拒み、別の道を模索しようとするオズの願いは受け入れられるのか。クライマックスを間近に控えた、緊迫の展開。

謎が謎を呼ぶ展開であった本作も、最近は伏線の回収が進み、物語は一気に進んだ。ジャック、グレン、オズ、アヴィスの意志、ギルバート、ヴィンセント、ブレイク、バルマ公など、それぞれの人間が抱える願いは一様ではなく、それゆえに深い対立を余儀なくされている。しかも、それは誰が悪者で誰が善人かといった二項対立では語れない、ぞれぞれの正義の対立である。

1巻でオズをアヴィスに落とした張本人、オズの父親ザイ=ベザリウスとの葛藤も乗り越え、初めの頃と比べてとてもたくましくなったオズ。ブレイクをはじめ、彼は既に人々の心を動かせる存在へと変化していた。オズが望む結末とは何か、気になるところだ。

次巻がいよいよ最終巻となった『PandoraHearts』。かつてのようなお茶会など、もうできないほどに皆の状況は変化してしまったが、オズが望んでいるのは、素晴らしき何でもない世界であろう。各人の願いとどう折り合いをつけ、理想の結末を迎えようとするのだろうか。


▼過去の記事▼
『PandoraHearts (1)~(10)』
『PandoraHearts (11)』
『PandoraHearts (12)』
『PandoraHearts (13)』
『PandoraHearts (14)~(19)』
クジラの子らは砂上に歌う  梅田阿比 秋田書店 既刊2巻



砂漠に浮かぶ船、「泥クジラ」で暮らす人々は、短命な超能力者と長寿の人間がともに協力し、平穏な社会を作り上げていた。しかし、突如現れたピエロの面を被った人々の襲撃を受け、「泥クジラ」は一瞬にして惨劇の場となってしまうのだった。この物語は、記録係の少年、チャクロによって語られる「泥クジラ」の民の物語。

1巻の終わりで、「泥クジラ」の悲劇が幕を開けた。2巻では、理不尽としか言いようのない襲撃に対して、為す術のない人々の様子が描かれる。そんな中、長命な人間達は、「泥クジラ」を砂の海に沈めようと決意する。彼らの言い方によると、「泥クジラ」の民は過去に犯した罪を背負っているがゆえ、外の世界からの攻撃を受けることはやむを得ないということらしい。外部からの攻撃で息絶えるのなら、このまま皆で死を迎えようとする長老会の受け身の姿勢に激怒し、反対した時期首長、スオウは地下の牢屋に閉じ込められてしまう。

長老会の不穏な動きに違和感を覚えるチャクロは、超能力使いの少年少女とともに、「泥クジラ」の秘密が隠されているという体内、すなわち地下へと進むことを決意する。一見平穏な生活の場であった「泥クジラ」は、とんでもない陰謀が隠された場所だったのかもしれない。その鍵を握るのが、人間の感情を抜き取る謎の生き物「ヌース」である。

化け物に感情を骨抜きにされて、戦闘マシンと化す人間達は、曖昧な大義のもと人々を攻撃することを許される。そして、過去の人々の罪を背負った人々は、ただ為すがままに自分達の生命が奪われていくのを甘受している。理不尽この上ない状況が、現代社会に訴えかけるものとは何か。考えてしまう。


■過去の記事■
『クジラの子らは砂上に歌う(1)』
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