ディメンションW 岩原裕二 スクウェア・エニックス 既刊1巻
時は2072年。コイルという発明品により、人々は送電線無しに電気を得られるようになり、エネルギー問題は解消された。浮かれる世の中を尻目に、マブチ・キョーマはコイルの存在に疑問を抱きながら、不正コイルの回収屋をして生計を立てていた。
とある任務の最中、マブチはミラというロボットに出会う。それは、コイルの発明で功績を残した百合崎博士が開発したものだった。マブチの上司は、世界の行く末さえも左右するコイルの謎に興味を示し、マブチにミラを管理するよう命令する。ここから、コイルの謎を追う物語が始動する。
ヤング・ガンガンらしい、ややハードボイルドな絵柄に、実在したニコラ・ステラの無線送電装置のアイデアを取り入れたSF設定を取り入れ、コイルを巡る人間模様を描いた注目の作品。なんだかんだで頼みごとを断ることができないマブチと、ロボット呼ばわりされることを嫌う謎のロボットミラとの駆け引きも面白い。まだ現時点では物語の輪郭があまり見えてこないが、この先の展開に期待する。
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