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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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このはな綺譚 天乃咲哉 幻冬舎 既刊1巻



此花亭は、夢と現の間に存在するという不思議な宿で、取り仕切っているのは人間の姿に似た狐である。本作は、主人公である柚を中心に、此花亭に起こるほのぼのとした出来事を描く。

狐のお宿の物語が約4年半ぶりに帰ってきた。仲居を中心にしたほのぼのとした作風は健在で、以前からの雰囲気が活かされているのが嬉しい。第3話「カメのおんがえし」は、浦島太郎物語のパロディーで、もし本当に浦島太郎のような出来事が起こったら、現実にはどんなことになるだろうかということを扱った笑い話。第5話「てのひら」は、最後にすべての謎がつながるミステリー要素を持った、これまでの天乃作品らしい雰囲気の話。その他の話も含めて、またこの作品を楽しめるんだという期待を感じさせられ、何とも幸せである。

一迅社の『百合姫S』では休載が続き、更には『百合姫S』が休刊となり、長い時が経っていた。作者のHPの情報によると、ハーレムものに変えるであれば連載を引き受けましょうという出版社はあったらしいが、あくまで当初の雰囲気を大切にしたいという意向を汲んでくれたのがコミックバーズだったらしい。これには感謝したい。


■関連記事■
『此花亭奇譚(1)』
『此花亭奇譚(2)』
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外つ神 斎藤岬 幻冬舎 全10巻



突如外つ神守として妖の管理を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿を描いた物語も、ついに幕引きとなった。鳴神家の2階で封印されていた、真菰凛音が現れてから、すっかり事件続きの匡達だったが、いよいよこれまでにない強大な陰謀を持った人物が登場する。カラフルな表紙が目印の本作の最終2巻は銀、そして金色の表紙となった。

千影と凛音の2人から好かれ、困惑する匡。修学旅行なども絡み、今までで最高レベルにラブコメ要素満載となった終盤であったが、そんな日常を裏に、密かに巨大な計画が進んでいた。首謀者は、かつて鳴神家にも登場した外つ神守、御厨であった。彼は、魔王クラスの力を持った妖の力を得て、世界支配を企んでいた。ここにきて、最強の敵と対峙することになった。

無事御厨の陰謀は阻止し、平和になった世界。匡にもこれまでと変わらない日常が戻ってきた。相変わらず、千影と凛音のどちらを選ぶでもない状態の匡は、ある意味でハーレムエンディングを迎えたとも言えるのか。作者もあとがきで語っているように、今後の物語がまだまだスピンオフででも続きそうな予感すらさせる終りであったが、外つ神守の物語はひとまず終結した。作者は既に次回作に取り掛かっているようで、まずはその発売を楽しみに待つとする。是非、また外つ神の続きを読みたいものだ。


◆過去の記事◆
『外つ神(1)(2)(3)』
『外つ神(4)(5)』
『外つ神(6)(7)』
親父の愛人と暮らす俺 玉置勉強 幻冬舎 既刊1巻



引きこもりの高校生、太郎が一緒に暮らすことになったのは、父親の愛人である24歳の智奈子だった。父親は家に帰らず、母親は別居中とあり、太郎は智奈子との奇妙な同居生活を始める。

父親が連れてきた若いお姉さんと2人っきりで同居して…と、まるでアダルトビデオにありそうな設定の物語。実際、暮らしの中でちょっとドッキリするようなことは起きるが、あくまでも描かれるのは2人の引きこもりの生活が中心である。同居人の智奈子は太郎の父親に半ば強制的に太郎の世話を依頼されたわけで、2人は太郎の父親に捨てられたという意味では同じである。そんな不条理な状況に置かれた2人が、生活を送る中で寂しい心を通わせていくという切ない面も持った側面が強い。

1巻の最後の話では、最愛の息子から引き離された母親からの電話が掛かってきて、事態は一気に深刻化しそうだ。Hな妄想を掻き立てるような設定だって、現実に起こってみれば、きっとこんなもんだろう。
ムジカ かかし朝浩 幻冬舎 全2巻



19世紀のドイツ連邦ザクセン王国を舞台に、音楽家シューマンと天才ピアニストのクララ、友人のメンデルスゾーンらが刻む青春物語の完結巻。自由奔放なベルリオーズや悪魔のようなワーグナーなど、個性豊かな面々が出揃い、物語は華やかな展開になる。

学園ものではないのだけれど、この物語には努力、友情、挫折、成長など、おおよそすべての学園もの要素が揃っている。1つ1つのエピソードは青春グラフィティに相応しい珠玉のものばかりだ。特に、物語の終盤、ワーグナーの曲を何とか演奏しようと、メンデルスゾーンの天賦の才能、クララの類稀な技術、シューマンの研ぎ澄まされた感性など、それぞれが十分に持ち味を発揮して協力し合う姿は、時代を経ても変わらない、輝かしき青春の日々の1ページを眺めているようだった。

また、2巻から登場した2人の人物は、物語を盛り上げる上で本当に重要な役割を果たしていた。それはひとえに、2人の揺るぎない強さが、周囲の人間の心を動かしたからに他ならない。表向きは破天荒で自由を謳歌するように見えるベルリオーズは、内面には音楽家として生きるための強い志を持っているし、孤高の音楽家ワーグナーは、自らの曲を基にした演奏会を経て、孤高を貫く意志を固めていく。アウトローな2人を見たからこそ、シューマンも自分の目指す音楽が明確になり、それを追求する覚悟ができたのだろう。

まだまだ皆の物語を読んでいたかったが、2巻で物語は完結した。19世紀当時の音楽家の生き様がリアルに浮かび上がるのと同時に、社会背景まで楽しく学べる漫画で、本当に楽しませてもらったと思う。


■過去の記事■
『ムジカ (1)』
ムジカ かかし朝浩 幻冬舎 既刊1巻



舞台は、1830年ドイツ連邦ザクセン王国。後に有名な音楽家として名を刻むことになるシューマンは、大学を辞めてまでして、ピアニストのヴィーク先生に師事することに決める。そして、シューマンはヴィークの娘、クララと出会う。完全無欠な演奏技術を誇りながらも、シューマンの心を揺さぶることができないクララ。シューマンは、クララに音楽を楽しむことの大切さを教え、クララはシューマンに演奏技術を指導し、互いは徐々に才能を開花させていく。

19世紀のドイツを舞台にした、音楽家達の青春物語。氷のような心を持った才女に、楽天的な男性が関わっていき、本当の意味でのプロに仕立て上げていくという物語の構成は、それほど珍しいものではないが、当時の社会の描写が丁寧で、作品の魅力を高めている。

天才音楽家、メンデルスゾーンとの音楽対決のような、少年漫画的な展開もあり、クララの内に眠る音楽をシューマンが開花させていくという少女漫画的なシーンもあり、男女問わず幅広く楽しめる内容になっているのではないだろうか。

コミックスには、「ダヴィッド同盟 豆知識集」という、当時の時代背景に関する解説や、設定のこぼれ話を収録したコラムがあり、その内容も面白い。クラシック音楽や当時のヨーロッパの歴史に疎い人であっても十分楽しめる。
外つ神 斎藤岬 幻冬舎 既刊7巻



突如外つ神守としての役割を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿、そして妖怪達との交流を描いた物語。

無事に黄泉の国から戻った匡は、教育実習生として学校に来た奥に取り憑いたネイティブ・アメリカンの霊を塚に戻したり、人間の世界に下りてきてしまった山童を人間の子どもと遊べるようにしてやったりと、自分なりの役割を果たしていた。ところが、ずっと鳴神家の2階に封印していた箱から飛び出した妖、真菰凛音が現れることで、再び騒ぎが訪れる。

少しずつ匡の過去に迫りながら進んできた物語。ついに、匡の腰にある封印の謎と繋がる人物が登場し、また1つ物語が動く予感を抱く。強大な力を持った凛音に誘われる匡は、どうなっていくのか。また、鳴神家に仕え、守ることを至上命題として生きてきた千影は、匡に対して単なる主従関係以上の感情を覚える自分に気付き始める。今まで牛歩のごとく関係に進展のなかった2人だが、凛音の出現により、互いの気持ちに素直になれる日が訪れるのか。

まだまだ謎多くして続く物語。今年発売の2冊は、物語が佳境を迎えたことを意識させるものだった。今後の展開からも目が離せない。


◆過去の記事◆
『外つ神(1)(2)(3)』
『外つ神(4)(5)』

彼女のひとりぐらし 玉置勉強 幻冬舎 全3巻



輿水理香は、26歳独身。フリーのイラストレーターをしながら、気ままな独り暮らしをしている。おひとりさまの切なくて愛おしい日常を描いた物語の3冊目にして最後の単行本。

ついに終わってしまったのかという残念な気持ちだ。3巻でも、独り暮らしの楽しみ、苦味が余すことなく描かれている。
ふと思い立って、三浦海岸まで出掛ける話、ひとりで初詣に出掛ける話、そして足を捻挫して途方もない辛さに遭う話… そのどれもが、独り暮らしの気楽さと、その裏にある孤独感や切なさを見事に表現している。主人公の姿を見ていると、時に笑い、時に共感し、時に胸がキュンとなる。

これまでのような流れがずっと続くかと思っていると、物語は妹の結婚式をもって最終話を迎える。この最終話が、なかなか味がある。普段気ままに生きる主人公は、決して自分の生き方に負い目を感じているわけではないのだが、いざ大企業に勤める妹の結婚式の場に居合わせてみると、いたたまれない気持ちになってしまう。その後、主人公なりに妹を気遣い、メールを送るのだが、その内容に涙する妹を見て、私自身込み上げてくるものがあった。

3年間の連載を経て、終了に至った本作品。残念ではあるが、主人公のおひとりさま生活は、まだまだ続きそうな気がする。最後に、輿水理香にエールを贈りたい。


■過去の記事■
『彼女のひとりぐらし(2)』
外つ神 斎藤岬 幻冬舎 既刊5巻



祖母の死をきっかけに、高校生の鳴神匡は、突如外つ神守としての役割を任される。同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、匡は悪霊が出てくる裂け目である外つ神塚を守ろうと奮闘する。全国に12あるという外つ神守達が、鳴神家に集い、鳴神家の塚を他の家に任せてはどうかという話まで出てくる中、匡は仲間の助けを借りつつ、何とか自らの家の塚の管理権を失わずに済む。自分の無力さを痛感した匡は、外つ神守の会合で出会った斎宮の惟子に、魔物退治の方法を学びたいと志願する。しかし、匡に嫉妬する御手洗の策略で、匡は黄泉の国に落ちてしまう。

順調に巻を重ねている妖怪退治漫画。身近な妖怪退治が多かった3巻までの流れからは一転して、徐々に主人公の過去が明らかになっていったり、外つ神守の駆け引きが描かれたりと、物語は外つ神守を中心に据えて動き出す。鳴神家の蔵にある謎の箱の存在も、この先重要な鍵を握るのだろうか。

また、匡が黄泉の国に行ってからは、匡が狐塚家の次男、史春に出会い、独特の感情を覚えるなど、匡の心の中に少しずつであるが変化が訪れる。

加えて、これまでクールに匡の援護をしてきた千影が、黄泉の国に行ってしまった匡のことを心配して、初めて匡への気持ちを露わにするところは名場面だ。実は両想いだよ、匡!

予想以上に息の長い作品になりそうな本作。巻末のおまけ漫画と壁紙プレゼントの企画は相変わらず継続中と、サービスも満点。


◆過去の記事◆
『外つ神(1)(2)(3)』
彼女のひとりぐらし 玉置勉強 幻冬舎 既刊2巻



輿水理香は、26歳独身の女性。会社を辞めてフリーのイラストライターになるが、仕事の依頼はいまいち。恋人のいない状態が何年も続いており、自宅から一駅のアパートに独り暮らしている。部屋で妄想に耽ったり、独りプールに出掛けたりと、独身女性の気ままで切ない暮らしを描いた作品。

タイトルからすると、ちょっとドキッとする作品。しかし、実際のところは、作者が「残念女子」と名付ける女性が独り暮らす日常を描いた作品だ。サッカーを見ながら、ラテン系男子との恋愛を妄想してみたり、こたつを買ってだらだらとしてみたり、気ままな生活が描かれる。

1話1話について、作者のまとめ方が上手く、切なさの中にある笑い、笑いの中にある切なさがひしひしと伝わってくる。独り近くのプールに出掛け、思いっきりリフレッシュした後、安上がりな人間である自分を褒めつつ、男が寄ってこないことをポツリと嘆く姿を描いた話など、その最たるものだ。

滑稽な話の合間には、妹の結婚、仲良しの友達との本音での語らいなど、主人公の年齢を感じさせるようなエピソードも入れられていて、26歳の女性であることを意識させられる。現実がまずいと思いつつも、現在の気楽な状態にも愛着を持つ。素敵な男性に出逢う日を夢見つつも、男性を評価するシビアな目も持つ。恋人がいたらなと思いつつも、男性に媚びることはしない。このように絶妙なバランス感覚を持ち、気取らない主人公の姿勢が、多くの読者の共感を得ているのであろう。この辺りの描き方が、とても男性の作者による作品とは思えないくらいだ。

彼女は決して、独り暮らしをしている自分に絶望したり、現在の状況を嘆いたりしない。積極的に現状を受け入れ、日々を楽しむ主人公の姿を見ると、むしろ勇気付けられるような気もする。男性から見ても、十分可愛さと愛おしさを感じられるのではないだろうか。
外つ神 斎藤岬 幻冬舎 既刊3巻



霊や悪霊である外つ神が出てくる塚を守るのが、外つ神守。高校生の鳴神匡は、祖母の死をきっかけに、突如外つ神守としての役割を任されてしまうことになる。同級生の野々宮千景、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、匡は鳴神家としての責任を果たすべく、地域の妖退治に奔走する。

妖怪退治の漫画だが、メインの登場人物の組み合わせが面白い。高校生の主人公(男子)、その同級生(女子)、クラスの副担任、その従妹と友人。しかも、同級生以外は、皆主人公の同居人となる。これが、同年代が集う不思議な部活という設定だったら、無数にある部活漫画の中に埋もれてしまったかもしれない。外つ神守を担う家は、全部で12あるという。2巻・3巻では天生家が登場し、3巻の終わりでは御厨家の人物が姿を現した。外つ神守の権力闘争もある模様で、今後争いがどのように描かれるのか、楽しみ。

スタイリッシュな絵で、妖怪ものに相応しく、少し重い感じの雰囲気が全体を通して醸し出されている。それでいて、案外表情豊かな主人公によって、雰囲気が重くなりすぎないようになっている。クールな千景も、「鳴神君といるとドキドキする」(恋愛感情ではなく)とサラッと言ってしまう辺り、実は天然なのか。そして、妖怪退治ものとは思えないくらい、カラフルな表紙も、ギャップがあって面白い。

主人公の腰にある痣に込められた封印、強大な力を誇るという狐塚家など、まだまだ謎も多い。地味ながらも、ちょっと変わった組み合わせの人間が集まる物語を楽しみたい人にお薦め。

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