御伽楼館 天乃咲哉 芳文社 全2巻
今回は、新しい作品を。
このブログにもリンクのある、天乃咲哉さんのものです。
双子の姉妹、エルナとディアナの経営する人形店は、とても不思議なお店。少女に限りお代はもらわず、その代わりにお客の大切なものと引き換えに、人形を貸し出す。
人形を手にしたお客、またはその周囲に携わる人々は、夢とも現とも言い難い不思議な体験をし、心に抱えていた悩みや不安、忘れかけていた大切な記憶と向き合っていく。
オムニバス形式の本作は、どの話も心温まるものである。それぞれの話の主人公達は、人形をきっかけに、周囲の人々との触れ合いで大切なものを得ていく。その過程が、読者の感動を誘う。2巻の最後では、今までの登場人物がお互いに少しずつ関係し合いながら、物語が構成される。人と人との繋がりということを感じさせる締めくくりであった。相変わらず、天乃さんの絵はきれいで、それだけでも読む価値がある。
コミックエールの休刊とともに連載を終了してしまった作品であり、もう少し読みたかったというのが本音である。
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