orange 高野苺 双葉社 既刊3巻
高校2年生の自分に届いた10年後の自分からの手紙。転校生の翔を救ってくださいと書かれた手紙に戸惑いながらも、自分なりに翔の助けになろうと決めた菜穂だった。そんな折に、実は友人の須和にも同じような手紙が届いていたことを知る。運命を変えるべく、2人は協力することを誓い合う。
長野県を舞台にした青春物語の第3巻。未来の自分から来た手紙を頼りに、転校生の翔を救おうとする菜穂と須和だったが、自分達が未来を変えようとすることで、本来起こりえなかったことも起こっていることがわかり、自分達がすべきことは何なのか、確信が持てなくなってしまう。翔と見事両想いになった後も、翔の背負うものに対して自分がどこまで力になれるのか不安になり、一歩を踏み出せない菜穂。それでも菜穂と須和の2人は動く。翔の幸せのためを思って、という軸からぶれないように。本当は菜穂のことが好きなのに翔との恋愛を応援しようとする須和の行動がイケメンすぎる。
3巻のラストでは、他の友人達も皆未来の自分から手紙を受け取っていたことを告げる。将来の翔と自分達のために、皆が動き出そうと決めるシーンは青春らしさ全開で心が躍る。切なさの中に秘められた微かな希望を頼りに、今後も見守っていきたい。
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