ドラゴン桜2 三田紀房 講談社 既刊1巻
「東大合格請負漫画」をテーマとし、ドラマ化もされて社会に絶大なる影響を及ぼした漫画の続編。廃校寸前だった龍山高校は1名の東大合格者を出し、さらに翌年以降も輝かしき実績を挙げ、そこそこの進学校として名を馳せるようになっていた。しかし、顧問弁護士の桜木が去ってから徐々に進学実績は落ち、5年が経過してついに東大合格者が0という事態にまで落ちぶれてしまった。龍山高校の実績があってこそ、自身の商売が成り立つという桜木は、この状況を見過ごせまいと思っていた。得意の根回しを駆使して理事会の一員となった桜木は、龍山高校の改革に乗り出す。前作の登場人物達も一部再登場する。あの先生やあの卒業生のその後を知るのも1つの楽しみと言える。
私自身、大きな影響を受けたドラゴン桜の続編が始まるということで、大きな期待を寄せていた。第1巻を読み、またも様々なことを問いかけそうな内容に、わくわくしている。まず、大きなテーマは2020年大学入試改革だ。まだ具体的なことについては明らかになっていないゆえに、様々な憶測がなされている領域に、桜木は切り込んでいく。また、新たな時代の受験対策も重要な素材だ。前回のシリーズ終了から10年の月日が経過し、受験勉強を取り巻く環境も当時とは大きく変化した。その時代の変化に合わせ、本作では新たな手段の勉強法が提示される。
ちなみに、本作を通して作者は漫画界の新たな働き方を提案するという姿勢でもいる。作者は原作と監修に専念し、作画をアウトソーシングするという思い切った手法だ。漫画を通して社会に対して何かを発信するという野望に満ちた作品である。
PR