BLOOD PARADE 唐沢一義 スクウェア・エニックス 全2巻
吸血鬼によって家族を失ったジルは、吸血鬼の対策を行う国際機関、国際安全保障局(ISS)の職員となり、すべての元凶となった吸血鬼の真祖を討伐すべく、日々職務に励んでいた。ところが、専属のボディーガードとして就いたルナは、真祖その人であった。ルナの願いは吸血鬼の殲滅。ジルは、自らの敵としてきた真祖の正体に戸惑うのであった。
物語は一気に進展し、十二使徒が登場したり、ジルの弟のカベルが吸血鬼となって現れたりと、目まぐるしい展開。そして、ジルの心臓に隠された秘密やカベルの本当の想いなどが明らかになり、物語はクライマックスを迎える。
まだまだこれからというところで、最終回を迎えなければならなかったのは、非常に惜しいところ。ジルは1つ問題を乗り越えたとはいえ、最終的には自らの手でルナを消去しなければならないという問題は、決着のつかないままである。ジルのためを思って、胸の内に真実を仕舞い込んでいた、ISS局長や、カベル。その想いを知り、自らの使命を果たそうとするジルの姿をもう少し見ていたかったし、必ずや訪れるルナとの別れの場面も見たかった。
Gファンタジーらしい世界観で描かれた、名作の香りのする物語だっただけに、非常に残念。
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