それでも世界は美しい 椎名橙 白泉社 既刊2巻
突如太陽の王国に嫁ぐことになったニケと、王国の王、リビが過ごす、ちょっと心が温かくなる日々を描いた物語の第2巻。婚約の大典を行おうとした2人に、神官庁から課題が与えられる。
ニケに、この世界も捨てたものではないと教えられ、徐々に心を開いていくリビ、そして、初めは生意気な子どもくらいにしか思っていなかったリビに惹かれていくニケが描かれるのが1巻だった。2巻では、愛を育みつつある2人に、神官庁から試練が与えられる。そもそも、合理的ながら圧政を敷くリビの手法に不満を抱き、身分の低いニケが王女になることにも反対していた勢力は、何としても2人の結婚を破談させたかった。しかし、そんな障害も、今の2人が協力すれば、乗り越えられるもの。婚約の承認を得ようとして試練に向かう過程で、2人はますますお互いへの想いを深めていくのだった。
ところが、物語は穏便には進まない。宰相バルドの登場により、2人の仲に再び亀裂が走ることに。今こそ、互いを信頼し、愛せるかが試されている。新たな試練に直面する2人を応援したい。
相変わらず庶民感覚を忘れないニケの振る舞いに和まされる。また、リビがたまに見せる王女を思いやる行動は、かっこ良すぎる。ちなみに、巻末のおまけ漫画、「概ね、世界は美しい」は、遊び感満載で、楽しめる内容。
●過去の記事●
『それでも世界は美しい(1)』PR