私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコ スクウェア・エニックス 既刊4巻
アニメ放送が地域によってはスタートした、通称「ワタモテ」。ぼっちでかつ異性にモテない喪女、黒木智子(もこっち)を主人公に据えた異色の作品は、今人気を博している。4巻で取り上げられるのは、秋から冬にかけてのエピソード。すなわち、「リア充」とは程遠い高校生活の1年目が終わろうとしていることを示している。
どんなイベントも、もこっちの手にかかれば寂しさと切なさを増すもので、周囲の人間を見下して生きてきた彼女にとってもダメージは大きい。キャバ嬢に憧れて夜の歌舞伎町を歩く話や、クラス会に参加しようにも居場所が見つからず、結局1人で遊び歩く話など、これまで以上にもこっちが「ぼっち」であることを強く訴えかけるエピソードが多く感じられた。また、数少ない友人の1人であるゆうちゃんとの距離も、確実に離れつつあると認識させられる話もちらほら…この話はどこまでも切ないなあと思ってしまう。
そんなもこっちに朗報となるのか、2年生の4月からは、同じ高校に弟が入学して来ることになりそうだ。弟にとっては災難そのものなのだが、密かなるイケメンキャラ(性格も含む)である弟が、いざという時に救いの手を差し延べてくれる、微笑ましいエピソードもあるのではないかと、微かな期待を抱いている。
アニメが始まり、作品の知名度が上がることはあっても、クラス内でもこっちの知名度や地位が上がることは、きっとないだろう。それでも、数多の人々が、もこっちのことを応援していることだろう。挫けるな、もこっち!
◇過去の記事◇
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(3)』PR