外つ神 斎藤岬 幻冬舎 全10巻
突如外つ神守として妖の管理を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿を描いた物語も、ついに幕引きとなった。鳴神家の2階で封印されていた、真菰凛音が現れてから、すっかり事件続きの匡達だったが、いよいよこれまでにない強大な陰謀を持った人物が登場する。カラフルな表紙が目印の本作の最終2巻は銀、そして金色の表紙となった。
千影と凛音の2人から好かれ、困惑する匡。修学旅行なども絡み、今までで最高レベルにラブコメ要素満載となった終盤であったが、そんな日常を裏に、密かに巨大な計画が進んでいた。首謀者は、かつて鳴神家にも登場した外つ神守、御厨であった。彼は、魔王クラスの力を持った妖の力を得て、世界支配を企んでいた。ここにきて、最強の敵と対峙することになった。
無事御厨の陰謀は阻止し、平和になった世界。匡にもこれまでと変わらない日常が戻ってきた。相変わらず、千影と凛音のどちらを選ぶでもない状態の匡は、ある意味でハーレムエンディングを迎えたとも言えるのか。作者もあとがきで語っているように、今後の物語がまだまだスピンオフででも続きそうな予感すらさせる終りであったが、外つ神守の物語はひとまず終結した。作者は既に次回作に取り掛かっているようで、まずはその発売を楽しみに待つとする。是非、また外つ神の続きを読みたいものだ。
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『外つ神(1)(2)(3)』『外つ神(4)(5)』『外つ神(6)(7)』PR