せっかち伯爵と時間どろぼう 久米田康治 講談社 既刊4巻
短い時間を移動し、各時代の様々な地域に点在し出現しているという上人類。その底辺に属するサンジェルマン伯爵が、現代に暮らす人類のもとに降り立ち、毎回ハプニングを起こす物語。上人類の暮らしぶりが次々と明らかになっていく。
下ネタ中心のドタバタ劇からやや趣向が変わり、現在普通に暮らす人類とは一線を画した上人類の暮らしぶりに焦点を当てたのが、第4巻だ。地球上で起こっている超常現象やちょっと不思議に思えることの大半は上人類によってなされていることが原因だという語り口はなかなか面白い。怪奇現象、天才子役は上人類と関係が深いというネタや、3Dならぬ4Dプリンターや4D映画といった「次元の違う」遊びに興じる上人類の生態など、興味深さすら感じるギャグである。人類のはるか上をいく上人類という設定が活きた絶妙な切り口であった。
◎過去の記事◎
『せっかち伯爵と時間どろぼう(1)』『せっかち伯爵と時間どろぼう(2)(3)』PR