部活、好きじゃなきゃダメですか? いづみかつき スクウェア・エニックス 全2巻
いわゆる青春スポ根漫画に喧嘩を売るような内容であり、なおかつ多数の運動部経験者の共感を呼んだ(と思える)漫画の第2巻にして最終巻。おちゃらけた西野、大山、最も王道スポーツ漫画の主人公らしい思考を持った窪田の3人を中心に、相変わらず、部活に対するネガティブな本音が炸裂する。
それにしても、最終2話は神回と言えるような内容だったと思う。負ければ3年生の引退が決まる夏の大会1回戦は、全国大会常連の強豪校、上岡高校との対戦となった。実は、上岡高校には窪田と同じ中学出身で大物FWの向井がいた。向井は、窪田に試合会場で会うと、才能がないくせに未だにサッカーを続けているのかと見下す。そんな向井に対して、西野と大山は試合中にある秘策を講じるのだった。秘策の内容についての詳細は、読んでのお楽しみとしたいのだが(もちろん、サッカーのルール違反はしていない)、何とも彼ららしく痛快で、それでいてなぜか感動的ですらある方法で、向井にひと泡吹かせてやるのである。こんなラストが待っていたとは、驚きであった。これは一読の価値ありだ。
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