外つ神 斎藤岬 幻冬舎 既刊7巻
突如外つ神守としての役割を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿、そして妖怪達との交流を描いた物語。
無事に黄泉の国から戻った匡は、教育実習生として学校に来た奥に取り憑いたネイティブ・アメリカンの霊を塚に戻したり、人間の世界に下りてきてしまった山童を人間の子どもと遊べるようにしてやったりと、自分なりの役割を果たしていた。ところが、ずっと鳴神家の2階に封印していた箱から飛び出した妖、真菰凛音が現れることで、再び騒ぎが訪れる。
少しずつ匡の過去に迫りながら進んできた物語。ついに、匡の腰にある封印の謎と繋がる人物が登場し、また1つ物語が動く予感を抱く。強大な力を持った凛音に誘われる匡は、どうなっていくのか。また、鳴神家に仕え、守ることを至上命題として生きてきた千影は、匡に対して単なる主従関係以上の感情を覚える自分に気付き始める。今まで牛歩のごとく関係に進展のなかった2人だが、凛音の出現により、互いの気持ちに素直になれる日が訪れるのか。
まだまだ謎多くして続く物語。今年発売の2冊は、物語が佳境を迎えたことを意識させるものだった。今後の展開からも目が離せない。
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『外つ神(1)(2)(3)』『外つ神(4)(5)』PR