それでも世界は美しい 椎名橙 白泉社 既刊3巻
太陽の王国に嫁いだニケと、王国の少年王、リビが過ごす日々を描いた物語の第3巻。宰相バルドの登場により、2人の仲に亀裂が走るかと思われたが、そんなことで2人の愛が壊れることはなかった。リビとバルドの関係も修復し、再び平穏な日々が訪れようとしていたとき、今度はニケの母国、雨の公国に異変が。雨の公国に駆けつけたニケと、ニケの後を追って到着したリビには、またしても難題が待ち構えていた。
初めは互いに恋愛感情など抱くことのなかった2人だが、互いを知っていくにつれて徐々に愛を深めていく2人だった。3巻でもそれは変わらず。ニケの異変にすぐに気付くリビ。「お前以外のものなんか 俺にはロクに見えてないんだから」の台詞は圧巻。ニケがリビの心遣いに触れ、2人の唇が重なり合ったとき、ニケは今までにない感情を覚える。その湧き上がる想いが何なのか、彼女はまだ掴めずにいる。
一方、雨の公国で、2人は再び仲を引き裂こうとする勢力と対峙することになる。しかも、すべてはニケの祖母である現国王の謀略によるものであった。試練に次ぐ試練の2人だが、今回はどのように乗り越えるのだろうか。雨の公国編は、次巻に続く。
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