私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコ スクウェア・エニックス 既刊7巻
喪女の高校生、黒木智子(もこっち)の切ないぼっち生活を綴った物語。高校2年生の夏、もこっちは、かつてともに級友を奪い合った仲である、こみなんとかさん(小宮山さん)とひょんなことから再会を果たす。相手より少しでもぼっちでないところを見せては勝ち誇った笑顔を見せるという戦いを繰り広げるのだが、互いにとって中学時代の友人であるゆうちゃんと3人で居合わせたことをきっかけに、すっかり行動をともにするようになってしまった。
夏休みといっても、ぼっちにとっての休みは、無駄に過ごす日々に等しい。それでも、高校2年生の夏は女子3人で遊ぶこともあり、表向きは充実しているようだ。相変わらず他人と行動をともにすると、他人とは何かが違う自分を実感し、自己嫌悪に陥ってしまうのは確かだが、他人と関わるもこっちの姿は活き活きしているなと思ってしまう。
ところどころに出てくる、ぼっちならではの虚しいエピソードは相変わらず毒気たっぷりだ。スクールカーストの上位者に話しかけられただけで、うっかり喜んでしまったり、教師のお節介を本気で恨んだり… また、真夏の野球応援のエピソードは、かつて作者自身が恨みを持っていたという野球部が題材なだけに、相当気合が入っているように感じられた。もこっちが語る野球部批判のセリフは、まるで作者の心の叫びを代弁しているかのようだった。
作者もびっくりかもしれないが、連載はついに4年目に突入した。海外での思わぬ反響に、アニメ化と、徐々に世に認知されていくぼっち漫画。これからもぼっちの内面を、時に哀しく時に滑稽に、そして時に温かく、描いていってもらいたい。
◇過去の記事◇
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(3)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(4)』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(5)』PR