月刊少女野崎くん 椿いづみ スクウェア・エニックス 既刊8巻
少女漫画家の武骨な男子高校生、野崎梅太郎とその周辺の人々がコメディーを繰り広げる本作も、気付けばもう8巻。
本作の特徴として、ある事実を、ある人は知っていて、ある人は知らないという状況がある。ここから生まれる、何ともかみ合わない会話や頓珍漢なやり取りが、本作では笑いにつながる大きなポイントになっているのだ。しかし、今回、御子柴と若松が作業場で出会うことで、お互いがアシスタントであったことを知ってしまう。この調子で、早く若松も瀬尾先輩の秘密を知ってくれないかなあ… その時、彼は瀬尾先輩への気持ちに気付くのだろうな。
今回も、漫画を扱っている漫画ならではの裏話が登場。それが、第78号で出てくる少女漫画の1/3スペース、通称「柱」である。使い方を間違えると、後でとんでもない黒歴史になったりと、案外難しいスペースだったのだと改めて知った。しかし、この漫画はさすがで、あえて柱を作って柱について説明し、コミックスのカバー折り返しには、しっかりと夢野先生(=野崎)作成の柱を載せてくれている。柱の描き方ひとつとっても、いかにも野崎らしい個性が出ていて、作者の才能を感じられる部分だ。
☆過去の記事☆
『月刊少女野崎くん(1)~(4)』『月刊少女野崎くん(5)』『月刊少女野崎くん(6)』『月刊少女野崎くん(7)』PR