かくしごと 久米田康治 講談社 既刊2巻
久米田康治が描く、漫画家漫画の第2巻。漫画家の後藤可久士は、ちょっと下品な漫画を描いているゆえに、娘の姫にそれがバレるのを徹底して阻止しようとする。
第1巻以上に、漫画家が直面する問題をギャグテイストで描いている。「絵と話が合っていない」と言われることや、うっかり本名でデビューしてしまったがゆえの悩みなどは、これはそのまま作者の実話だよな…と思うようなことだ。そして、新人賞の審査員というものが、漫画家にとってどれだけ心労であるかを語ったエピソードは、興味深い。たしかに、ダメ出しに対して「それはお前も同じだろ」と突っ込まれることが気になると、書く内容に悩むだろうと思う。
そして、毎回笑わせてくれるのが、エピソードことに付けられたタイトル(大抵は漫画やアニメ作品のもじり)と、雑誌掲載時の目次に載ったことになっている架空の作者近況コメントである。コメントでは、現実世界で起こったことが、読者受けが良いように絶妙な表現へと変形されたうえで書かれている。これを見ていると、現実の作家もこんなふうに考えながらコメントを作っているのかなと思えてきて、ニヤニヤしてしまう。
第1巻と同様、巻頭と巻末には、18歳になった姫がついに父親の仕事を知ることになる場面がカラーで描かれている。姫は鎌倉の家に置かれた箱の中に何を見つけるのか。
☆過去の記事☆
『かくしごと(1)』PR