ママは同級生 あづまゆき 秋田書店 既刊3巻
高校生の如月遼は、幼い頃に母を亡くし、父との2人暮らし。医師の仕事で忙しい父は、家を空けることも多かった。それでも遼は、同じ学校に通う遥と付き合うなど、平凡ながら幸せな日々を送っていた。ある日、学校から家に帰ると、同年代のグラマラスな女性がいた。実は、その女性は父親の再婚相手であり、遼の同級生でもあったのだ。遼は、同級生かつ母親の今井結花と、秘密の同居生活を始めることになる。
初め、この設定は、萌えの視点から迫る現代版源氏物語かと思った。しかし、遼は恋人の遥をとても大切にしていて、結花に惚れ込むというドロドロ展開にもならなかった。遥と結花も良い友人関係になり、平穏な日々を送っている。
むしろ、巻を進めるにつれ、義理の母と息子という関係になった同級生が、お互いの関係にどう対峙するかという部分に焦点が絞られてきた。初め遥が2人が一緒にいる姿を目撃したときは、結花が嘘と真実をうまく混ぜ合わせた機転の利いた弁明をすることで、事なきを得た。ところが、同じ高校の1学年下の緒方レオの出現後、事態は急変。もはや遥に秘密を隠しきれないと思った遼は行動を起こす。それに対して結花は衝撃を受ける。皆にとっての幸せとは何だろう。案外真面目な方向へ向かって行った。
ヤング向けだけに、お色気描写が豊富。綺麗な絵と相俟って、この作品の柱の1つ。三つ編み眼鏡の少女が、三つ編みを解き、眼鏡を外すと…というお約束パターンも。
単行本の発売ペースは、ほぼ1年に1回。毎回、続きが気になる形で次の巻へとつなげるのがうまい。また1年後、本ブログで紹介できることを祈りつつ、今回の記事を締めくくる。
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