るいるい 真楠 マッグガーデン 全2巻
羽山ほのかは、水沢柚姫と同じ部活に入るべく、景観歴史研究部、通称「廃墟部」に入部する。廃墟部ライフを始めたほのかには、個性の強いメンバーによる手痛い歓迎があった。身近な廃墟に文化祭のお化け屋敷、そして憧れの軍艦島と、廃墟部の面々は部活動を精一杯楽しむのだった。しかし、そんな廃墟部にも終わりが着々と近付いているのだった。個性派の登場人物達による廃墟コメディーの2冊目にして最後の単行本。
廃墟部の活動を堪能する主人公達と、その先に待ち受ける廃墟部の無期限活動停止というコントラストが見事な第2巻。楽しい活動も束の間。廃墟部は、部室の老朽化による安全性が問題となり、解散することになってしまう。
廃墟は、崩壊寸前だから廃墟たりえるのだ。ラストで述べられる、散り際の一瞬の美しさを愛でる言葉は、どんなものでも永遠に続くことはないというこの世の理を表しているようで、案外真面目な終わり方だったように思う。そして、主人公達はそれぞれの道を歩み始めるのだった。物事の終わりは新しい物事の始まりでもある。廃墟部の部員達は、今日もまた、変わらない日常の中に埋もれた有限の美を見つけようと奮闘するのであろう。
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