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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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ローゼンメイデン PEACH-PIT 集英社 既刊9巻



新しい作画と物語構成でアニメがスタートした本作。原作は、いよいよ大詰めというところだ。雪華綺晶のまやかしの世界の中をあちらこちらと動きまわっては、時に再び同じ地点に戻ってを繰り返していたドール達だったが、"まかなかった"ジュンの協力もあり、一同はついに雪華綺晶のアジトへと潜入する。

9巻の見せ場は、何と言っても水銀燈の心情の変化だ。これまで孤高を貫き、「私達は絶望するために生まれてきた」という考えのもと、アリスゲームで互いに戦い潰し合うことに迷いを感じなかった水銀燈だったが、蒼星石からローザミズティカを受け入れることで、アリスゲームへの姿勢を変化させる。「至高の少女」であるアリスになるために課された使命を独自に解釈して行き着いたところは、真紅の考えるアリスゲームとも重なる部分が大きかった。

人形は年月を経ても決して変わることはなく、マスターである人間達だけが、時の流れとともに心を変化させ、やがては人形のことを忘れ去っていく。これが、真紅や翠星石達の考えるドールとマスターの関係であった。しかし、彼女達も心の奥では、人間の心によって人形の心もまた動かされていくことを実感していた。それに対して、雪華綺晶は、柿崎めぐが指摘した通りで、自分のことを心から慕ってくれるマスターに出会えないという不幸を抱え続けていた。無機の器に縛られ続ける真紅や水銀燈が、心の部分で力をもらっているのに対して、器に縛られずに心を糧とする雪華綺晶が心に渇望するというのは、何という皮肉であろうか。

表紙のあらすじ紹介によれば、アリスゲームは最終局面へ突入する模様。2桁の大台を迎える「カタカナローゼンメイデン」も、ついに終盤戦か。


◇過去の記事◇
『ローゼンメイデン (1)(2)(3)』
『ローゼンメイデン (4)』
『ローゼンメイデン (5)』
『ローゼンメイデン (6)』
『ローゼンメイデン (7)(8)』
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