重版出来! 松田奈緒子 小学館 既刊8巻
4月から7月まで放送していたドラマをきっかけに、一気に大人買いしてしまった1巻から7巻。ドラマ放映が終了してから初の単行本が発売された。ドラマでは、当時発売されていた単行本7巻の後に続く部分をまとめた、素晴らしい最終回が作られた。実際のところ、ドラマはオリジナル展開を多く取り入れた最終回になっていたのだなと思った。作者があとがきで述べているように、ドラマはドラマで作者も漠然としか気付いていなかったキャラの特徴や作品の魅力を存分に引き出していたと、つくづく感じる。
第8巻はというと、ドラマの最終回で大事な役割を果たした異色の漫画家、中田伯を中心にしたストーリー展開だ。これまでの苦しみを乗り越え、わずかな希望を見出そうとする彼の生き方が滲み出てくるような漫画作品『ピーブ遷移』の魅力が徐々に世の中に受け入れられ、ついには発売前重版という、新人としては驚異的な実績を作ることになる。漫画版の中田君にも、いよいよ世の中に認められる瞬間が訪れた。発売日以降の動きは、9巻以降に続く。
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