さよなら絶望先生 久米田康治 講談社 既刊20巻
ネガティブ教師、糸色望と彼が担任するクラス、二年へ組の生徒たちが繰り広げるギャグ漫画も、ついに大台の20巻に突入。
帯には、「誰も止めてくれないからもう20集じゃないですか!!」の記述。一見様が入りづらくなっているのではないかというネタがあったのが11巻だった。本作は、それ以来まだまだ続いた。相変わらず、今回も「没個性」ならぬ「ボツ個性」(発揮すべき場所でなく発揮される個性)、「文化祭」ならぬ「分化祭」(細分化が進んだ世界の様子)など、絶妙なネーミングセンスでもって、世の中を風刺するネタは健在。さらには、連載200回目となる記念の回には、物事が続くことで逆に増えていくレガシーコストの話を取り上げるという秀逸ぶり。しかも、連載が5年も続けば、連載当初に中学生だった読者が成人するという台詞から、時の流れをしみじみと感じる。私は連載当初からの読者ではないが、該当する人にとっては大変な月日であろう。
隠れキャラや、以前のネタに登場した人物など、長く親しんできた読者に対するサービスが充実しているのはありがたいが、顧客の新規開拓を進めたいのも本音であろう。でも、アニメ4期に期待を懸けているところを見ると、まだまだ大丈夫なのかな。
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