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さよなら絶望先生 久米田康治 講談社 既刊21巻



ネガティブ教師の糸色望と、彼が担任するクラス、2のへ組の生徒が展開するギャグ漫画。昨年の年末から今年の初めの時期に掲載された作品を収録。

表紙が主人公の糸色望ではなく、女生徒に変わってから早1年。このパターンももはや定着といったところか。

前巻で連載200回を突破したものの、正直気になっていたのが自虐やメタなネタの多さ。若干加減しないと冷めてしまうなと心配していただけに、今回の収録作は純粋に楽しめる話が多くて安心。大爆笑ではないけれど、マグニチュードの小さな笑いが断続的に訪れるような感覚。

隙間に入り込む「スキ魔」、値踏みをする「ねぶみ小僧」という1回きりの登場となるであろうキャラクターが現れる話、節分で豆ではなく豆知識を撒いたゆえに、それを食べた鳩が賢くなってしまうという超設定を取り入れた話は、少し前の絶望先生を彷彿とさせるネタ。さらに、噛み合わない議論を「対極拳」と名付けるなど、独特のネーミングセンスも健在。もちろん、現代社会に対する的確な突っ込み、風刺も忘れない。「絶望した!」の台詞もバッチリ聞くことができた。何だか、かつてこの漫画に出会い、面白いなと思った頃の感覚が蘇ってきたように思える内容だった。

ちなみに、今回表紙の彼女は、最近すっかり登場頻度が低くなっている模様。使い勝手が悪いのかな。


●過去の記事●
『さよなら絶望先生(1)~(19)』
『さよなら絶望先生(20)』
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