シューピアリア・クロス ichtys スクウェア・エニックス 既刊3巻
ラクシュリの友、クライヴの秘密を探るうちに、一向は人間をモンスター化している者がいることを突き止める。襲いかかる敵をシーラが倒したものの、手掛かりは掴めない。そんな折、シーラのコピーが村を荒らし、人々は魔王への反感を強めるばかりだった。王子によって送り込まれた密使であるロッシは、シーラが魔王であるという確証を得つつも、シーラを殺すことに対して戸惑いを覚える。シーラが魔王である可能性については、勇者エクサもまた、疑いを強めていく。
シーラは確実に変化している。強大な力を抑えることを学習し、他人への思いやりという感情を理解し、魔王としての罪も意識するようになった。自らのコピーを倒す覚悟も決めている。だが、同時に、本来持っていた他人を殺傷する快楽も、深く根付いている。シーラはこの先、自らの暴力性とどう向き合っていくのか。
他の人物も、己の義務と責任から逃れることはできない。どんなモンスターも殺さないことを信念としながら魔王を倒す旅を続けるという矛盾と、エクサはどう対峙するのか。冷徹な暗殺者としての役割を負ったロッシは、シーラを倒そうと踏み切れるのか。モンスター化する自分を殺して欲しいという、親友クライヴの願いを却下したラクシュリは、友を助ける方法を見つけ出せるのか。無情にも、決断の時は刻一刻と迫っている。
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