まずは、ドラえもんから。
私が初めにはまった漫画はドラえもんでした。
大人になるにつれ、子供の頃に読んだ本について、そのときとは違った感想を持つことは、よくある。ドラえもんの大長編作品は、少年漫画の王道ストーリーのものも多く、大人になると若干醒めてしまうところもある。
でも、この作品は、なぜか大きくなった今でも、読んでいて感動してしまう作品である。今となっては、大長編の中で最も好きな作品である。
同様の評価は、
こちらのページにも。
まずは、あらすじから。
スネ夫のラジコンのロボットを自慢され、悔しがったのび太は、ドラえもんに巨大ロボットを出してくれるようにせがむ。しかし、ドラえもんはそんなのび太に対して腹を立て、夏の暑さを逃れて、北極に出かけてしまう。後を追ったのび太は、北極で巨大ロボットの部品を拾う。2人は、自分たち以外は誰もいない鏡の向こうの世界でロボットを組み立て、完成させる。
しかし、そのロボットは地球から遠く離れたメカトピアという星に暮らすロボットが、地球侵略のために送り込んだものだった。地球の案内役として派遣されたリルルという人型ロボットに、ひょんなことから巨大ロボの存在を知られ、のび太は彼女に鏡の世界の秘密を教えてしまう。そこから、鉄人兵団とドラえもんたちの戦いが始まる。
この作品の魅力とは、どんな点だろうか。やはり、ラストへとつながっていく話の展開であろう。鉄人兵団は非常に強く、ドラえもんやのび太たちでは太刀打ちできなかった唯一の敵と言える。絶体絶命のピンチを救うのは、ロボットの少女であった。
では、敵の手下であったリルルが、なぜ最終的に敵を助けようと思うに至ったのか。その心の変化が、本作の大きなテーマの1つとなっている。人間とは、ロボットとは、そして、神とは。そんなことについて考えさせられる。リルルの魅力が、この作品の最後に華を添える。