ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊22巻
いよいよ殿様大学受験も大詰め。初詣での合格祈願、センター試験の受験、二次試験と、ステップを踏んでいく品川。仲間がセンター試験の足切りで不合格になるという出来事も乗り越え、無事殿大受験を終了した。しかし、殿様大学受験の裏では、確実に何かが進んでいた。足立花の行方がわからなくなり、一同に不安が走る。
仲良しグループの殿様大学受験物語も、ついに終盤を迎えた。想像以上に試験の様子が克明に描かれ、受験物としての緊張感を伴う展開であった。初めの予想を大きく裏切り、仲良しグループ全員が殿様大学進学という願いは叶わなかった。だが、結果的にそれぞれが改めて自分の将来と向き合うことになり、各自が自分の目指すべき大学へ向かって勉強に励むことになった。将来へ向けての思いが、今までの「みんな一緒に」ではなく「それぞれの道へ」と変化しつつも、彼らにはこれからも変わらぬ友情がある。現実の厳しさに直面しながら、自分の将来を再考する頼もしさを備えた和泉、姫路、千葉の3人の表情が爽やかだ。品川もまた、夢の中で過去の自分と邂逅し、紋白高校でかけがえのない仲間と出会ったことの意味を再認識することになる。
一方、物語はもう1人の主人公「メガネちゃん」不在のまま進むことになる。品川父の言った通りに、気付いたらどこかに行ってしまっていた花。本作の序盤でほんのわずか触れられたきりになっていた、花の生い立ちの秘密とは。
巻末のおまけには、和泉岳が自らのファッションについて語ったインタビュー記事が収録されている。おまけページの充実度は、当初から変わらずだ。
◎過去の記事◎
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』『ヤンキー君とメガネちゃん(13)~(16)』『ヤンキー君とメガネちゃん(17)(18)』『ヤンキー君とメガネちゃん(19)』『ヤンキー君とメガネちゃん(20)』『ヤンキー君とメガネちゃん(21)』PR