ほしのこ! matoba スクウェア・エニックス 既刊1巻
高校生の広井秋彦がテスト勉強のために徹夜しているところ、天井を突き破って登場したのは、自らを叶え星と称する「かなえ」という少女だった。不思議な夢を見ていると思った秋彦は、どうせならと、同じ高校に通う上原駒子と両想いになりたいと願う。願いが叶ったかのように思われた瞬間、秋彦は思わぬ失態から、チャンスをふいにしてしまう。しかも、これは夢ではなく現実で、かなえは秋彦のもとに居座り続け… ここに、ドタバタ劇が始まる。
第1話は、読み切りのつもりで掲載された作品。それが連載となり、今に至る。初めの雰囲気では、萌え版のドラえもんという感じで、主人公の願いを叶えつつ、時に主人公に対して厳しいことも言い、大切なことに気付かせていくのが叶え星なのかと思いきや、まったくそうではなかった。願いを叶えるまでは自分の星に帰れないと主張し、好き勝手に居座り続けるかなえを中心に、秋彦の友人、駒子、そして新聞部の面々が奔走されていく様を描いた漫画へと姿を変えていく。
表紙の絵からは若干想像しにくいかもしれないが、本書の作画は少女漫画でも通用しそうな淡くて繊細な雰囲気を持っている。主人公の秋彦に、その友人の斉藤、芹沢の園芸部3人組も、まるで少女漫画に登場する男の子のようだ。芋ジャーの上下にスカートというかなえの格好と相まって、実は女性にも抵抗のない作品ではないかと思う。各話で、冒頭の4ページが必ずカラーなのが、嬉しい。
この先、新聞部の面々が、どのように関わってくるかが、この先の物語の展開上、重要な鍵になってくるであろう。進展するような、進展しないような物語が、どうまとまっていくかにも注目と言えるだろう。
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