忍者ブログ
自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新コメント
[08/11 黒きオーラ]
[04/13 黒きオーラ]
[01/04 黒きオーラ]
[08/04 黒きオーラ]
[07/19 黒きオーラ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
S. K.
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/04/15
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
時計
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ラズ・メリディアン 結賀さとる 秋田書店 全6巻



さてさて、2010年も師走を迎え、いよいよ終わりが近づいてきた感がある。年が変わる前に是非取り上げておきたいと思ったのが、本作。作者初の少女漫画で、今年の1月に最終巻が発売された。

高校生の間白マナの隣家に引っ越して来たのは、幼いころにさんざんいじめられたという嫌な思い出しかない、竹井千尋だった。今まで、不思議なことなど起こらない、平凡な高校生活を送っていたマナだったが、千尋にもらった指輪で、異世界"アヴァロン"へ召される。マナはそこで、伝説の王、アーサー王に仕えていたという騎士、ランスロットに出会う。ランスロットもまた、自らの世界"キャメロット"から"アヴァロン"へと飛ばされてきたのだった。マナは、ランスロットを元の世界へ送り返すべく、現実の世界と異世界の間を行き来することになる。そして、ランスロットとの秘密が千尋にも知られてしまい、ひょんなことからランスロットも現実の世界で暮らすことになる。

マナ、千尋、ランスロットの三角関係や、それにマナの友人ナガちゃんを加えた四角関係といった、少女漫画の王道と言えるような展開を中心に据えつつも、友人関係、両親との関係、将来の進路などの問題と悩み向き合う、繊細で多感な高校2年生という時期もテーマとして扱った作品。マナのことや自分の出自について悩む千尋、ランスロットに告白し思わず涙するマナ。多感な時期を生きる高校2年生が登場する舞台にマッチした、平凡で、しかしきらめきに満ちた作品舞台が素晴らしい。

霧が深く、歪んだ世界とされる"アヴァロン"には、現実世界のそっくりさんがいる。彼らは、マナ達に何かを訴えかけている。彼らが"アヴァロン"と現実世界の架け橋となり、、時に微笑ましく、時に大事なことを教えてくれるという設定は楽しい。

物語のラストで"アヴァロン"の霧が晴れたのは、それぞれの人物が心の奥底にしまいこんでいた過去を解き放ち、現在の自分に向き合う準備ができたことを象徴する。まだまだ、彼らの物語は続く。

ランスロットがかつて魔の手に操られることで"キャメロット"に起きた事件は重いけれども、全体としては殺伐とした感じはない。同じ作者の『E'S』の雰囲気とは大分異なる。最強の敵とも思えるモルガンとの戦いも、無血での決着を迎えた。最後まで"アヴァロン"は御伽噺のような世界を維持し続けた。ゆったりとしていて、それでいて滔々と流れる時の中で、優しいファンタジーが紡がれている。読むと温かい気持ちになれる作品だ。
PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS: 管理人のみ表示

この記事にトラックバックする



この記事へのトラックバック
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[96] [95] [94] [93] [92] [89] [88] [87] [86] [85] [84]

Copyright c 漫画日記。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]