恋愛専科 ミズタマ 芳文社 全5巻
超名門の女子校、櫻小路学園に設けられた特別クラスは、女性が苦手な担任教師の心を奪うことを主席の条件にした、その名も「恋愛専科」。期末特別合宿で乗り越えるべき課題を提示され、克服に向けて一歩前進した6人の生徒達。しかし、喜びは束の間で、学園が無くなるという噂が流れる。解体の危機に直面した恋愛専科を救うことができるのか。物語が一気に駆け抜ける最終巻。
学園買収の話が決まり、存続が危ぶまれる中、恋愛専科のメンバーは、緊急会議を開き、やれることをやろうと決心する。その取り組みを評価した理事長、京の母、雪緒の母の計らいで、何とか学園の存続は保たれた。学園買収の裏にあったのは、京の櫻小路家と、雪緒の高林家の対立であった。一件落着の後、2人が共に将来の協力を誓い合った場面は、心温まるものだった。
一方、恋愛面で中心となるのは、こころ。これまでは担任の薮田には、お母さんキャラとして関わってきたのだが、自分の気持ちに気付いたこころは、薮田に自分の気持ちを伝えようとする。結局は、肝心の言葉を発することはできなかったが、2人の関係は大きく進展した。いつか必ず自分の気持ちを伝えると、心に誓った彼女の姿が描かれるラストは、とても爽やかで、それでいて甘酸っぱい後味の残る名場面だった。
恋愛専科での勝負はまだまだこれから。男性から選ばれるという最終結果云々ではなく、生徒達はきっとこれからも成長し続けてくれるのだろう。
◎過去の記事◎
『恋愛専科(1)』『恋愛専科(2)』『恋愛専科(3)(4)』PR