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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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魔女の心臓 matoba スクウェア・エニックス 既刊3巻



妹から心臓を奪われ、不死の身となった魔女、ミカが、しゃべるランタンのルミエールとともに旅を続ける物語も3巻を迎えた。時はミカとルミエールの出会いの物語へと巻き戻る。ルミエールの元の姿は、村の人々を襲う竜であった。竜退治を任されたミカだったが、思わぬ出会いで旅の伴侶を得ることになったのだった。

生と死の境界を生きる魔女の物語は、魔女のことを慕ってたまらないルミエールとの出会いの物語から始まる。人々を襲う竜は、たとえ人間と親しくなっても、人間の短い命と向き合わざるを得ない運命に苦しんでいたゆえ、永遠の生を受けた魔女に惹かれていく。そして、徐々にミカという存在そのものにも心惹かれていき、ランタンとして生きることを選ぶのだった。気丈に振る舞うミカも、心に寂しさを抱えることはある。久遠の命を得ることの辛さを1人で背負わなければならないのだから。しかし、その辛さを紛らわせることができるのは、心の交流だ。3巻では、その他にも人間とともに暮らすエルフなど、人間の儚い生と向き合うものたちが描かれる。失うとわかっているのに、なぜ心の交流を求めてしまうのか。エルフは語る。「寂しがりやなだけよ」と。

その他にも、旅の途中で出会う人々との温かい交流が描かれる。その1つ1つのエピソードが、人間はなぜ生きるのか、そして儚い命を持ったものが心を通わすのはなぜなのかといった、根源的な問いを投げかけるものだ。いつものことながら、切なくも心の奥がほんのりと暖かくなるような物語の数々だった。


★過去の記事★
『魔女の心臓(1)』
『魔女の心臓(2)』
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隠の王 鎌谷悠希 スクウェア・エニックス 全14巻



六条壬晴は、無関心を装う平凡な中学生活を送っていたが、彼の身体には、忍の世界がかつて生んだ最強の秘術である森羅万象が封印されていた。壬晴の知らないところでは、秘術をめぐる争いが起こっており、壬晴を保護する萬天の人々と行動を共にするが、最強の戦力を誇る灰浪衆を前に、苦戦を強いられる。そこで出会った少年、宵風は、禁忌とされていた秘術である気羅の使い手であった。冷酷な心を持った宵風だったが、壬晴は彼と触れ合うことを通して、宵風と自分に共通する心の闇に気付いていく。禁忌の術は身体への負担が大きく、使い続けることは、命を削ることに等しかった。宵風の願いは、自らの存在を歴史から抹消すること。そのために、秘術の森羅万象を使うことを壬晴に要求するのだった。現代に生きる忍の物語。

これまでレビューの機会を逃していた完結作。現代を舞台にした忍者達の物語だが、そこに関わる人間同士が紡ぐ物語でもある。それぞれに魅力的な登場人物が多く、物語が進むにつれて、互いが互いに影響し合って心情に変化が生まれていく過程こそ、本作最大の見所である。

初めは萬天対灰浪衆という構図で描かれていた戦いが大きく変化するのは、壬晴の灰浪衆寝返りがきっかけである。敵同士であった壬晴と宵風は、徐々に互いに持つ寂しさが共感し、行動を共にするようになる。さらには、2人の灰浪衆脱退といった行動も、物語を大きく動かす事件だった。また、2人の周囲を取り巻く人物も、人間味のある非常に魅力的な人物ばかりである。壬晴の教師である帷、灰浪衆の戦術指揮の雪見、萬天に仕える忍者の清水兄妹は、独自の哲学を持って、萬天や灰浪衆といった枠を超えて共闘する仲間となる。それぞれの思いや願いも丁寧に描かれていて、終盤の感動に繋がっている。特に、物語の中盤で宵風が自らの願いを成就して存在を消した後の彼らの団結、ラストで森羅万象の封印に成功し、皆に宵風の記憶も戻った後の彼らの笑顔は、読者の心を大きく揺さぶるものであっただろう。

忍の世らしく、裏切りや寝返り、騙し合いといった駆け引きも豊富で、ファンタジー作品の多いGファンタジーの中では突出する魅力だったように思う。

人の洋服や風景くらいにしかトーンを使わない、白と黒を中心に使った独特の作画が特徴で、作品の世界観によく合っていたと思う。最初から最後まで目の離せない展開で、6年間にも及ぶ連載を続けた作者に感謝したい。
詠う! 平安京 真柴真 スクウェア・エニックス 既刊3巻



平成の世から平安時代にタイムスリップしてしまった少年、藤原定家が、歴史上有名な歌人と出会うことを通して和歌を集めていく物語。定家は、小野小町、清少納言、紫式部、和泉式部ら、偉大な人物と出会い、和歌の収集を続ける。

1巻に続き、和歌に詠まれる心情や情景が目の前に現れてくるファンタジックな設定が生きる。在原業平対小野小町戦では、互いの詠む和歌の世界が周囲に大きく影響し、木々が花開いたり枯れたりする。まさに言霊を感じる名勝負だった。

清少納言、紫式部、和泉式部が登場する回は、彼女らの描き方がとても活き活きとしていた。流行やお洒落に余念のない清少納言に、根暗でオタクな女性として描かれる紫式部、周囲の男性を魅了するグラマラスな女性の和泉式部と、歴史上の有名人を現代風な解釈で再現していて、「今生きていたらこんな感じかもしれない」と思ってしまった。互いの作品を罵倒し合う清少納言と紫式部の会話も面白い。

毎回毎回、1つの歌の詠われた背景が物語を通して丁寧に説明されていて、百人一首に造詣のない自分にとっては嬉しい限りであり、またとても勉強になる。小野小町の歌など、場合によっては、表面的な解釈を先に紹介し、実は裏にはこんな想いが込められていたのであるという解釈が、定家の言祝ぎの能力を通して後で紹介されることもあり、登場人物達と一緒になって和歌の深淵に迫る喜びを味わうことができる。百人一首の教材としても優れていると思ってしまう。

今後の重要人物となりそうなのが、菅原道真と安倍晴明。怨霊となった道真と、陰陽師の晴明は、時代の命運を左右し、ひいては定家が現代に帰れるかどうかの鍵を握っていそうだ。


■過去の記事■
『詠う! 平安京(1)』
ディメンションW 岩原裕二 スクウェア・エニックス 既刊4巻



コイルという発明品により新時代を迎えた21世紀後半を舞台にした、不正コイルの回収屋、マブチ・キョーマと、ロボット、ミラによる、コイルの謎を追う物語。3巻と4巻では、湖の孤島にある八十神ホテルで起きた小説家怪死事件の謎を追う。この事件の裏には、コイルのエネルギー源である次元Wの秘密が隠されていたのだった。

初めは謎解き風の導入で、物語世界との関係が把握しづらかった怪死事件だったが、ページを繰るごとに、徐々にコイルの問題が浮かび上がってくる。2巻で出てきたルーザーが口にした「ナンバーズ」と呼ばれるコイルの謎に、いよいよ迫ることになった。

エネルギー問題を解決したように思えたコイルの発明だが、コイルを支える力には、次元Wという人智を超えたとんでもない神秘があった。その力を制御するのが難しいゆえに、回収することになったのが、「ナンバーズ」であったのだ。もはや物質世界までも超えているような次元Wは、とても人類が扱えるような代物ではない。科学技術の発展によって莫大な恩恵を得た未来の人類だったが、果たしてそこまで踏み込むことは人類に許されていたのだろうか。八十神編を読みながら、そんなことを思った。


◇過去の記事◇
『ディメンションW (1)』
『ディメンションW (2)』
魔女の心臓 matoba スクウェア・エニックス 既刊2巻



妹から心臓を奪われ、不死の体となった魔女、ミカが、妹を探し、しゃべるランタンのルミエールとともに心臓を取り戻そうと旅を続ける物語。旅の途中で出会う人々との交流は、生と死の意味を問う。

美しい背景と可愛らしい作画の人物によって描かれる物語だが、物語の根底にあるのは、生と死の意味についての問いかけである。ミカが手にしているのは、不老不死の身体であり、同時に終わらせることもできない命である。いつか終わってしまう儚さを持っているからこそ、輝きを得られるのが命だとすれば、ミカの命は残酷なまでに輝きを失っているとも言える。また、自らは死ななくても、いつまでも年をとらず、命果てることがなければ、有限の命を持った人間達と長く関わることはできない。だから、魔女は転々と居場所を移し、旅をする宿命を背負っている。

そんな彼女と対比的に描かれるのが、物語中で出会う人々だ。2巻でミカが出会うのは、人間の生き血を得ることで同じく永遠の生を約束された人魚と若き次期司教、人狼に恋焦がれる人間の少女、自らの故郷を捨てたいと望むスラム街に暮らす少女だ。それぞれ、永遠の命、異なる者同士の共生、同じ場所に留まることの幸せと不幸が描かれるわけだが、これらのテーマは、やはり不死の体で旅をする魔女と対照的に描かれるゆえに、大きな感動を呼ぶ。

2巻の後半では、時間が巻き戻り、ルミエールとミカの出会いが描かれる。続きは3巻ということで、3巻の発売が楽しみだ。


★過去の記事★
『魔女の心臓(1)』
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコ スクウェア・エニックス 既刊4巻



アニメ放送が地域によってはスタートした、通称「ワタモテ」。ぼっちでかつ異性にモテない喪女、黒木智子(もこっち)を主人公に据えた異色の作品は、今人気を博している。4巻で取り上げられるのは、秋から冬にかけてのエピソード。すなわち、「リア充」とは程遠い高校生活の1年目が終わろうとしていることを示している。

どんなイベントも、もこっちの手にかかれば寂しさと切なさを増すもので、周囲の人間を見下して生きてきた彼女にとってもダメージは大きい。キャバ嬢に憧れて夜の歌舞伎町を歩く話や、クラス会に参加しようにも居場所が見つからず、結局1人で遊び歩く話など、これまで以上にもこっちが「ぼっち」であることを強く訴えかけるエピソードが多く感じられた。また、数少ない友人の1人であるゆうちゃんとの距離も、確実に離れつつあると認識させられる話もちらほら…この話はどこまでも切ないなあと思ってしまう。

そんなもこっちに朗報となるのか、2年生の4月からは、同じ高校に弟が入学して来ることになりそうだ。弟にとっては災難そのものなのだが、密かなるイケメンキャラ(性格も含む)である弟が、いざという時に救いの手を差し延べてくれる、微笑ましいエピソードもあるのではないかと、微かな期待を抱いている。

アニメが始まり、作品の知名度が上がることはあっても、クラス内でもこっちの知名度や地位が上がることは、きっとないだろう。それでも、数多の人々が、もこっちのことを応援していることだろう。挫けるな、もこっち!


◇過去の記事◇
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)』
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2)』
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(3)』
回転る賢者のシュライブヴァーレ 星屑七号 スクウェア・エニックス 既刊1巻



平凡に生きることを選択してきた中学3年生、一之瀬七梨は、ペン回しだけが唯一の取り柄だった。そんな七梨がいつも通りペンを回しているところに現れたのは、才ある者の文具に宿るという精霊、アイゼンブルーメ。名は、「品格と優美のカトレア」。その精霊と契約すれば、どんな願いも叶えてもらえるが、それと引き換えに残酷で孤独な死を迎えることになるという。さして特別な願いのない七梨は、命と引き換えにしてまで夢を叶える気はなかった。しかし、幼い頃に抱いていた、他人の力になれる人になりたいという夢を思い出した七梨は、精霊との契約に踏み切る。憧れの自分に向かって一歩を踏み出した七梨だったが、精霊と契約を交わした者が向き合うべき現実は、決して生易しくはなかった。少女と文具の精霊が紡ぐ物語に待っているのは、希望か絶望か。

どんな願いも叶える契約、そしてそれに伴う犠牲という設定は、「魔法少女まどか☆マギカ」などでも見られる、今日の王道設定とも言えるかもしれない。また、契約者同士の戦いがある点も、共通点である。別の契約者から文具を奪って破壊すれば、その力を吸収できるため、欲深い契約者は、自らの能力と幸運を強化しようとして別の契約者の文具を狙う。アイゼンブルーメとの契約は、敵との戦いを余儀なくされる、リスクを伴う行為だったのだ。七梨のように、ただ「他人の役に立ちたい」と願うだけでは人間として甘いのだろうか。また、個人の幸福を実現するには、他人の幸福を奪うまでしないといけないのであろうか。本作が抱える重いテーマである。

本質的に抱えている重いテーマと対照的とも言える可愛らしい作画、そして作品のテーマを象徴するような迫力のあるバトルシーンが本作の売りであると思う。契約者としての運命を背負うことで、徐々に懸命に生き、周囲に本気でぶつかることを覚えていく七梨の姿にも勇気付けられる。
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコ スクウェア・エニックス 既刊3巻



「喪女」としての毎日を過ごす女子高生、黒木智子、通称「もこっち」は、残念な夏休みを終え、秋の学校生活に入る。2学期早々の席替えで、真ん中前という辛い位置への引っ越しを余儀なくされる。また、文化祭の準備では、居場所のない現実と向き合うという、残酷な仕打ちを受ける。

相変わらず、切ない。特に切なさ満点なのが、文化祭の準備、そして当日の日々を描いた、20話、21話だ。準備の時間を過ごすのが苦痛で、手持ち無沙汰な時間を無くすために、適当な作業を手伝って時間を稼いだり、結局は構内をうろうろして時間をつぶす羽目になってしまったり… たまたま体育館で文化祭実行委員会の手伝いをして、準備日を過ごすことができ、当日は他校に行った友人とまわることで、もこっちの心はいくらか満たされる。それでも、他人と過ごす時間はあっという間に過ぎ去り、待っていたかのように、孤独な時間が再度訪れる。普段いくら心の中で周囲の人間を見下す発言をしていても、心の奥の寂しさまでは癒すことができない。誰かに抱きしめて欲しいことだってある。そんなやるせない気持ちになったもこっちを、犬の着ぐるみで正体を隠しながら、抱きしめてくれる人がいた。それは、前日に体育館の準備で関わった文化祭実行委員長。台詞がほとんどないコマで紡がれたラストは泣けてくる。

最近、『教室内(スクール)カースト』なる本が出版された。少なくとも、一定の年齢よりも下の人であれば多かれ少なかれ経験のある、「イケメン>フツメン>キモメン」や「ギャル系>おとなしい系>オタク」といった、教室内で形成されるグループ同士の力関係を扱った本だ。ちなみに、この本によれば、もこっちはグループにすら所属できないので、いわば最底辺に位置するということになってしまう。『教室内カースト』を読んだ後、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』を読むと、もこっちの心の中での独白や行動は、カーストの下位に属する人々に対しての、共感と自虐を込めたメッセージなのではないかと思えてならない。だから、人によっては笑えない。でも、惹かれる。

教室内の強者や人気者には決してわからない、弱者の心の叫びを代弁するもこっちの存在意義は、大きい。カーストが上の人達を逆に見下し、最底辺でもがくヒロインに共感し、応援してくれる人は、決して少なくないのだから。そう言わずにはいられない。


◇過去の記事◇
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)』
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2)』
男子高校生の日常 山内泰延 スクウェア・エニックス 全7巻



タダクニ・ヨシタケ・ヒデノリの3人の男子高校生を中心として、その友人やきょうだい、近くにある女子校の生徒までも範疇に入れて繰り広げられるギャグ漫画の最終巻。

2012年の年明けに、アニメ化が大いに話題になった本作は、年内に早々と最終回を迎えてしまった。しかも、あまり最終回らしくない最終回で、最後まで度肝を抜かれる作品だったなと思った。教科書の文の読み間違いネタなど、読んだことない人がその部分だけを読んでも十分面白い話から、文学少女とヒデノリとの熱き交流(?)など、1巻から読んでいる読者には嬉しい話まで網羅された最終巻で、勢いは最後まで衰えなかった。特に、最終回前の2話で、好評の文学少女ネタを他の男子高校生、他の女子生徒で実践してみた話は非常に面白かった。そして、最後には、特別読みきりで「女子高生は異常」の最終回も収録。こちらも終わりという感じのしない内容だった。

あくまで男子高校生達とその周囲の日常には終わりがあるわけではなく、たとえ漫画が終わろうと、日常は続いていくというのが、作者からのメッセージなのだろうか。あまりに唐突な終了と最終回らしくない最終回には驚きを隠せない。

本作が人気となった意味は大きい。王道のラブコメ要素はゼロ、萌え要素もゼロで、壮大な冒険ストーリーでもない作品を引っ提げ、数多の作品が溢れる漫画界に勝負を挑み、人気を博した作家は、近年でどれくらいいるのだろうか。このような制約とも言えるような条件を、逆に巧みに武器にした作者のセンスは、類稀なものだ。

最後に、本作を影から盛り上げてくれた、顔も無き女子生徒達にエールを贈りたい。


◆過去の記事◆
『男子高校生の日常(1)~(5)』
PandoraHearts 望月淳 スクウェア・エニックス 既刊19巻



首狩り事件の潔白が証明されたかのように見えたエリオットだったが、蘇る記憶の波に晒されて、彼は自分自身が首狩りの犯人であったことに気付かされる。彼は自らハンプティ・ダンプティを否定することで、命を絶つ。一方、その後の世界とパンドラは大混乱に陥る。一連の事件の影に潜むバスカヴィルの民は、当主グレン・バスカヴィルが眠る封印の石を狙って攻勢に出る。また、100年前の英雄、ジャック・ベザリウスの本当の意図が明らかになってくる。さらには、オズの中に眠るB・ラビットの謎、アリスに似た少女、レイシーの謎、ギルバートの過去などが、過去の回想とともに明かされる。

謎が謎を呼ぶ展開の本作だったが、ここ最近は、これまで散りばめてきた伏線を回収するエピソードが多く盛り込まれている。まるでパズルの欠片が集まり、絵が少し見えてくるように、様々な謎が1本の線に繋がりつつある。

登場人物たちも、これまでとは異なった一面を見せることがあり、ドラマに深みが出てきた。自ら命を絶ってまでナイトレイ家の誇りを保ったエリオットを尻目に、世間での体裁を気にするナイトレイ公爵。彼に対して、これまでになく怒りを露わにするヴィンセントの姿は、これまでの印象を一変させ、鮮やかな名場面を演出した。また、悪役のように動き出してきたジャックの持つ負の感情も見所。ついに自らの過去を知り、絶望のどん底に立たされたオズの未来も気になるところ。従者、ギルバートは彼を導く光となるのか。

丸7年と、予想をはるかに超える長期連載となった本作。月刊の連載でありながらも、1回の掲載ページ数が多く、休載がないので、ついにGファンタジー史上でも最高の巻数を重ねるに至った。ここまで続けてきた作者には敬意を表したい。


▼過去の記事▼
『PandoraHearts (1)~(10)』
『PandoraHearts (11)』
『PandoraHearts (12)』
『PandoraHearts (13)』
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