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ARIA 天野こずえ マッグガーデン 全12巻




時は2301年。人類は、150年ほど前から火星の開発を進め、水の惑星「AQUA」とよばれるまでの環境にすることに成功した。この星には、かつての地球にあった都市を参考にして作った街が多くある。物語の舞台は、その中でもイタリアのヴェネツィアをベースにしたネオ・ヴェネツィアという都市。入り組んだ通りと数多くの運河から成る美しい光景がこの街の特徴で、多くの観光客が訪れる。観光客を乗せ、運河を渡る舟を操るのが、「ウンディーネ」と呼ばれる水先案内人。主人公の水無灯里は、ウンディーネの見習い。地球から独り火星に渡り、一人前のウンディーネを目指す。物語は、灯里の先輩アリシア、友人の藍華、後輩のアリスを中心に、ふとした日常のひとコマや、ネオ・ヴェネツィアに暮らす人々との交流を描きながら進む。1巻毎に5話収録され、巻が進むごとに季節が1つ移り変わるという構成。

1巻の帯には「未来系、ヒーリングコミック」と書かれている、癒し系として有名な作品。とにかく、ネオ・ヴェネツィアの街の描写が素晴らしい。物語のゆったりとした雰囲気にマッチしている。物語は、特に大事件が起きることはなく、ハラハラドキドキの展開もない。ただ、主人公のある日の出来事が淡々と描かれていくのみの構成である。各話が日記調で語られていくことが多いのが、それを象徴していると言えるだろう。

しかし、本作には、不思議と引き込まれていく何かがある。その何かとは何だろうか?それは、主人公の前向きでひたむきな性格と、そんな主人公の世界の見方であろう。高度に文明化した地球から来た灯里にとっては、AQUAは何もかもが新鮮である。ネオ・ヴェネツィアは、現在の地球よりもかなり文明が発達している。それでも、その時代の地球よりは1世紀以上遅れているとされているし、現在の地球とそれほど変わらないところもある。すると、灯里が新鮮に感じ、心から楽しいと思っているAQUAでの生活は、現在の私たちの生活に近いものと言える。彼女は、私たちが当然のものと思っていることにも感動する。私たちが日々の生活に疲れ、見失っているものに、灯里はまるでその名前のごとく光を当て、私たちに気付かせてくれる。そんなとき、心が洗われるような気持ちになる。それがこの物語の魅力なのではないだろうか。

もちろん、灯里が楽しんでいるのは、本人にとって珍しい物事だけではない。ふと出会った人との交流、仕事、仲間とのやり取りなど、本当にちょっとしたことに対しても、主人公は楽しみを見出していく。珍しさは大切であっても、絶対条件ではない。本当に必要なのは、何気ない出来事を幸せと思える感受性。4巻のアリシアの台詞が、このことをよく示していて、作者のメッセージともとれる。

どんなに豊かでも不幸な人はいるし
どんなに貧しくても幸せな人だっているわ
結局本人次第なのよね
幸せを決めるのって
灯里ちゃんが素敵だから
この世界がみーんな素敵なのよ(単行本4巻 pp. 33-35)


4巻が終了したところで、1年が終わる。秋から始まった物語は、5巻から再び秋を迎えることになる。1年目は、主人公がネオ・ヴェネツィアの街を歩いたり、街の人と出会ったりする場面が多く、水先案内人としての成長が見えにくかった。今後は、仕事面の成長を見たいところ。
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