ひきょたん!! 久遠まこと 角川書店 既刊2巻
身近な秘境を探検すべく結成された秘境探検部の活動を描いた作品の第2弾。学校の図書室、裏山、デパート、ゲームセンター… 秘境探検部の手にかかれば、どんな場所も秘境と化す。
第1巻が、漫画版『涼宮ハルヒの憂鬱』の表紙デザインにそっくりで話題になった本作。今回は、予想を見事に裏切って、『バカとテストと召喚獣』の雰囲気の表紙に。知らないで書店に行き、探すのに苦労した…
相変わらず、世界が狭い。最も遠出したのが、デパートかゲームセンターのどちらかだろう。狭い世界であっても、そして不思議なことが何ひとつ起きない世界でも、捉え方ひとつで秘境となりえる。読みながらそんなことを思った。
毎回、何でもないごく普通の場所を大げさに秘境に喩えて語る場面がある。例えば、鍵の壊れたトイレのドアをロッククライミングの絶壁に。裏山の開けた場所をエデンの園に。現実から飛躍した妄想と、その後のばかばかしいギャグ展開に落差がありすぎて、笑いがこみあげてくる。
第1巻から続くお色気路線も相変わらず継承。そして、2巻ではその先まで公開し、新たな領域に踏み込んだ。最も犠牲になりやすいのが、ツンデレキャラの彩花。少なくとも1話に1回はパンチラ(いや、むしろノーパンか…)、もはやこれが本作のお約束のようだ。
秘境探検部を秘宝探索部に変えようと目論む、新キャラの椎名美保、通称「ひほたん」も登場。本当は寂しがり屋の彼女が、秘境探検部とこの先どう関わっていくのかも注目。
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