PandoraHearts 望月淳 スクウェア・エニックス 既刊13巻
「首狩り」事件の謎を追い、一同はオズの社交界デビューを口実に、イスラ=ユラの屋敷へと赴く。パーティーの最中、イスラ=ユラの屋敷内で首無しの死体が発見され、調査を進めようとしたパンドラの人々も次々と首狩りの餌食となっていく。首狩りの魔の手は、レイムにまでも及ぶ。
過去の回想を除けば、最も凄惨な事件が発生した巻と言えるだろう。イスラ=ユラの屋敷内は大混乱を迎え、こっそりと忍び込んでいたバスカヴィルの民も、彼らと似た格好をした者達の行動に翻弄される。そして、屋敷内で封印の石がある場所に辿り着いたオズとアリスの運命はいかに。
緊迫した中、今まで謎に包まれていた、バスカヴィルの民、ナイトレイ家、首狩り事件の関係が、少しずつ1本の線へと繋がっていきそうなエピソードも綴られる。ブレイクだけがバルマ公から仕入れた情報である、首狩りの主犯者とされるチェイン、ハンプティ・ダンプティの記録と、偶然リリィの口からレイムが伝え聞いたものとの関係は。しかし、彼の死をもって、その秘密は封印されることになってしまった、バスカヴィルの民の秘密。これらのエピソードが伝えるものとは何か。
今まで地味ながらも随所で登場し、ブレイクの唯一の友でもあったレイムの死は、非常に衝撃的であった。12巻で「素晴らしき"なんでもない日"」の記録として1枚の写真に収められた者達の再会は、永久に叶わぬものとなってしまった。
ちなみに、本編のシリアスな内容とは一変してはっちゃけた内容のおまけ漫画は、この巻でも継続。
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『PandoraHearts (1)~(10)』『PandoraHearts (11)』『PandoraHearts (12)』PR