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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊20巻



節目の20巻。表紙は花の弟、葉で、久々の男性キャラとなった。

受験勉強が本格化する中で、品川と八王子の関係に焦点を当てたのが19巻だったのに対して、20巻では最近影の薄かった和泉や千葉のエピソードも挿まれ、非常にバランスが取れているように思う。和泉のエピソードでは宮崎、千葉のエピソードではマコトと、すっかりご無沙汰の人物も出て来るところがまた良い。自分の進路、他人の進路で悩む千葉と和泉。自分なりの答えを見出した2人は、さらに強い気持ちで目標へと前進していくことになるだろう。また、それなりの出番を与えられていた尾張小牧、宮城さくら、長老こと和歌山シンゴらの進路も決定した模様。このあたりの配慮が素晴らしい。

進路といえば、20巻の1話目となる、177話の三者面談のエピソードはなかなか感動的。品川に「おまえは紋白高校の希望だな」と温かい言葉をかける堺先生は、これまでにない存在感を放ち、いい味を出していた。

また、メインイベントとなる予備校の冬期講習では、関西の秀才、神戸太陽が登場。個性的なガリ勉君を毛嫌いしていた品川だったが、ひょんなことから神戸に勉強のアドバイスを受け、成績は急上昇。勉強に目覚めていく品川の姿から勇気をもらった。神戸の姿に大紫学園時代の自分を重ねた品川は、神戸と殿様大学での再開を誓い、合宿所を去った。

個人的には、最近のような受験や進路が話題になることの多い展開も好きだが、このような展開だけでは、ともすると読者を離してしまう恐れはある。かつてのノリを思い出させるような特別編(『マガジンSPECIAL』収録)には、懐かしさを感じてしまった。次巻では、品川の姉、海里と元紋白高校生徒会長の秋田との恋愛話も取り入れ、少し毛色を変える模様。


■過去の記事■
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(13)~(16)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(17)(18)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(19)』
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しゅごキャラ! PEACH-PIT 講談社 全12巻



聖夜学園小に通う日奈森あむは、クール&スパイシーなキャラとして学園の生徒から一目置かれる存在。しかし、勝手に一人歩きしているキャラの「外キャラ」と本当の自分とのギャップに悩んでいた。ある日、本当の自分になりたいと強く願うと、守護霊ならぬ「しゅごキャラ」が生まれていた。あむは、しゅごキャラを持つ者だけが入れる学園の組織、ガーディアンに入り、仲間達と様々な経験をすることになる。2008年、第32回講談社漫画賞児童部門受賞作品。

本当に色々なものが詰まっている。なりたい自分・本当の自分探しに加え、しゅごキャラと力を合わせる変身「キャラなり」、悪の組織との戦いもある。

もちろん、少女マンガならではの恋愛要素も満載。憧れの王子様のような唯世と、謎の多いイクトの2人の男の子の間で揺れる主人公が軸。唯世から告白されてからは、主人公が次々と甘い言葉を囁かれるという展開に。途中、ガーディアンの年下の男の子からの告白があれば、困ったときには年上のガーディアンが助けてくれることもある。さながら『花より男子』を髣髴とさせるような王道胸キュン要素が揃えられている。主人公以外の登場人物にも、最後に向かうにつれて怒涛のように恋が芽生えていく。

一方、なりたい自分、自分の可能性といったテーマも、繰り返し取り上げられる。自分の可能性を信じることの大切さや、夢に向かうことの尊さが、随所で語られる。自分で自分の可能性を狭めたり、大人になって変化していくことに不安を覚えたりしながらも、自らの道を切り開こうとする主人公の姿、台詞に胸打たれる。

また、本書の所々で登場してくる大人の存在も、いい味を出している。「外キャラ」とのギャップに苦しんだり、将来が不安になったりするのは、何も子どもに限られたことではないというメッセージが、さりげなく伝えられる。カリスマ占い師の冴木のぶ子、あむの先生の二階堂悠など、案外悩んでいる大人もいるものだ。この辺りの大人の登場のさせ方が、幅広い読者層を獲得できた要因であろう。就職活動に悩む大学生にも、お薦め。

5年近くの間を、休載も少なく一気に駆け抜けてきた作品。このような形で連載を続けることができたのは『DearS』以来だ。しかも、質問コーナーなどのおまけページの充実度は、間違いなく作者の単行本の中ではトップクラス。その点でも注目に値する作品。
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊19巻



20巻の大台を直前に控えた19巻。予想した通り、表紙は八王子雫だった。

様々なきっかけが積み重なり、品川の中にも徐々に殿様大学合格への熱意が芽生えていくのが、19巻の柱。受験という大枠の中で話が進みつつも、新たなイケメンキャラ、青森密が出現し、足立の過去の心情が明かされるなど、中身は濃い。

結局のところ、八王子の問題は解決するまでもなく、今後も尾を引いていきそうだ。読者から見れば、悲恋になりそうなのは目に見えているのに、本人は品川との大学生活を夢見て、自分の勉強に、他人の指導にと励むという姿は辛い。そんな中、恋愛なんてどこ吹く風という足立のキャラクターは貴重。物語が恋愛の泥沼にはまっていくのを、辛うじて阻止している。

ちなみに、最も合格が絶望的だった足立は、殿様大学のリーダー推薦枠によって、皆より一足先に殿様大学合格を決める。これは、組織のリーダーを経験したことがあり、かつユニークな発想力を持った人材を集めるための制度だ。紋白高校の不良枠といい、この物語の学校は、一見はちゃめちゃな制度を取り入れているように見えつつ、実は時代の最先端を行く、魅力的な入試を行っているような気がしてしまう。

ふと考えてしまった。彼らが大学に合格したところで、大学編を『ヤングマガジン』で連載、社会人になってからは『モーニング』へ移籍して続編… なんてことを。


◎過去の記事◎
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(13)~(16)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(17)(18)』
さよなら絶望先生 久米田康治 講談社 既刊22巻



超ネガティブ教師の糸色望と、2のへ組の生徒が展開するギャグ漫画、22冊目の単行本。

印象に残る話が多いなというのが、今回の第一印象。すごすぎると、逆に平気になってしまうことを扱った、第二百十一話、バレンタインで、チョコをあげる方が謙るのはおかしいという指摘から、立場の逆転を取り上げた第二百十二話など、濃い話から始まる。

作風にマンネリ化が起こるのはしょうがないこと。色々と打開しようとしても痛いだけで終わるのではという自虐を込めたネタがちらほらと。確かに、薄っぺらいものほど奥があるようにみせるという第二百十三話は、簡単にすれば良いものをわざと難しくする社会を嘆いた、第四十九話「暗夜号路」のリバイバルのようにも思える。

今回最も感心してしまったのは、巻末の書き下ろし。雑誌などに載っているヘアカタログに絶望少女達を載せたらどうなるかという実験。セットの仕方や、似合う毛量や顔型のデータまである。髪型に対する煽り文句がギャグ混じりながらも結構リアルで、クオリティの高さに度肝を抜かれた。単行本の書下ろしが充実していて手抜きがないのは、第1巻から変わらない。


▽過去の記事▽
『さよなら絶望先生(1)~(19)』
『さよなら絶望先生(20)』
『さよなら絶望先生(21)』
じょしらく 原作:久米田康治 作画:ヤス 講談社 既刊1巻



女子落語家達による、楽屋でのどうでもいい話から始まる漫画。実際に落語をするわけではない。ただし、各話の題には、落語のパロディが取り入れられていて、巻末にはその解説もある。

久米田康治原作とあって、独特の雰囲気がある漫画。それでいて、作画はヤスということで、作画の線がシャープではなく、柔らかい。そのような意味では、新感覚と言えよう。

初め読んでいても、登場人物の名前が全員わからない、プラス名前が読めないので苦労。何せ、蕪羅亭魔梨威(ぶらていまりい)や、波浪浮亭木胡桃(はろうきていきぐるみ)ときたもんだ。さらに、名前がわかっても、覚えるのに苦労。名前三重苦といったところか。名前がギャグになっているところは、『さよなら絶望先生』を彷彿とさせる。

登場人物の落語少女達は、絶望少女達を毒抜きしたような性格で、全体的にゆるい雰囲気を演出(実は、各々ブラックな面を持っているのだが)。今後も、可愛い路線を突き進むのか、それとも、徐々に崩壊していくキャラを見せていくのか、展開が気になるところ。

第壱巻の最後には、第1話を久米田プロによる背景で再現したものが収録されている。これを読み、本作に感じた違和感の正体が、自分の中で明らかになった気がする。なるほど、本作では、背景が非常にすっきりとしているのだ。注目すべき対象は少女達のみ。この、あくまで中心は少女にあるという姿勢は、作中に盛んに出てくる、「この漫画は女の子の可愛さをお楽しみ頂くため邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみいただく漫画です」という文句にも如実に表れている。つまり、背景についても「邪魔にならない程度の差し障りのない」背景でなければならないのだ。『さよなら絶望先生』の面白さは、描き込まれた背景にあるのだなと実感。その一方で、本作のすっきりした背景には、「絶望先生」にあるような、一見様を寄せ付けにくい雰囲気は皆無だ。どちらを面白いと捉えるかは、読む人に委ねられよう。
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊18巻



秋も深まる時期、品川達は進路選択の時期を迎える。他のメンバーが大学進学を目指して予備校通いを始める中、品川は乗り気でない。しかし、周りから促されたのもあり、最終的には予備校に通うことを決意する品川であった。そんな折、品川の過去を知る女、八王子雫が現れる。実は、品川は、全国模試の上位に名を連ねる名門中の名門、大紫学園の中学出身だったのだ。2人は学年の1位と2位の座を争う仲だったが、八王子を不良から守ろうとしたことをきっかけに暴力事件を起こし、品川は大紫を退学になっていた。やがて、八王子の指導の下、品川達は全員で最難関の殿様大学進学を目標とし、勉強に励むことになる。

ドラマ放送に合わせ、2か月連続の単行本発売。そして、2か月連続の女性キャラの表紙。自分としては、足立花の弟、葉が来るのではないかと予想していたのだが、18巻の表紙は品川の姉、海里であった。少年漫画としては比較的男性が多い本作では、今までにない流れ。

これまで明らかにされてこなかった品川の過去と家族関係が明らかになる、重要回。不良というレッテルを貼られながら、なぜ品川は賢かったのか。品川の両親は何をしているのか。その謎が明かされた。ぶっとんだ父親である、宙太にも注目。気になるのが、宙太が足立について語った言葉、「気付いたらいなくなっちまってるタイプ」。徐々に高校の卒業が迫る中、卒業前に何か大事件が勃発するのだろうか。

文化祭以来、足立は眼鏡を外し、「メガネちゃん」が消えたため、タイトルの存続が危ぶまれているところに、彗星のごとく登場したのが、八王子雫。新たな「メガネちゃん」は徐々に存在感を増し、もはや足立のお株を奪う事態に。勉強を取り柄にし、退学した品川と大学での再会を誓った八王子が、優等生的な悩みを持ちつつも、自分の居場所を見つけようともがく姿は、一宮アンナや北見など、これまでの登場人物達と何ら変わりはない。しかし、中学の頃から時が過ぎ、品川の心が自分から離れていっているのに気が付くにつれ、品川への気持ちが単なるライバル心ではなく恋心だということも意識してしまうという切ない展開。同じく品川に惚れた水戸すばる、宮城さくらに続く悲劇のヒロインとなってしまうのか。

普通の高校生が最難関大を目指すという「ドラゴン桜」的な要素まで入り込んできた本作。今後の展開はいかに。久々の3か月後の発売となる、第19巻を待つ。次の表紙は八王子雫かな。


☆過去の記事☆
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(13)~(16)』
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊17巻



香川を会長とする新生徒会が発足し、紋白高校は夏休みを迎える。新旧の生徒会引継ぎ合宿、旧生徒会メンバーの旅行と、品川達は夏休みを満喫する。休み明けには文化祭の準備に入り、まだまだ品川達生徒会メンバーの活躍は続く。クラスの実行委員に選ばれてしまった品川は、学校を休みがちな宮城さくらと共にクラスの文化祭企画を成功させようと奮闘する。

時は淡々と過ぎていくのに対して、数々の重要事件が起こる。特に大きな事件としては、品川がついに足立の正体を知ることになるシーンであろう。まさか、単なる実行委員の仲間に過ぎないと思っていた宮城がここまで決定的な役割を果たすとは。今までの憧れの存在であった女子生徒と目の前にいる足立花が同一人物だということに戸惑う品川。しかし、徐々にその現実を受け入れようとしていた矢先、事件が起こる。ひょんなことから足立が眼鏡とお下げを取って登校するようになり、学校中の話題になる。探していた足立花を見つけたということで、揚羽工業のメンバーも動き出す。

本編として重要な部分の面白さはもちろん、そのバックに入っているちょっとした話もなかなか。特に、千葉が女性陣の勢いに着いて行けずに、旅行の行き先決めで苦労する話などは、うまいところを突いてくるなと思う。また、高校受験以前に品川と足立が会っていたというエピソードの「メガネ君とヤンキーちゃん」は、2人の縁の深さを物語る。今まで影に隠れがちだった姫路にも焦点が当たる。財閥のお嬢様だったという隠れ設定が明らかになり、自分の素性と真剣に向き合う決意をし、隣の青筋学園に転校する。

最近の傾向として興味深いのは、和泉のキャラクターが以前よりも崩れてきていること。勉強と喧嘩を究めることを目指す自信過剰な正確はどこへやら。服のセンスが悪い人物として定着しつつある上に、自分のドジな部分まで意識してしまうという有様。人と人が関わることの面白さか。

品川にスポットライトが当たる本編もさることながら、それ以外の部分もしっかりしている。図と地の両方で楽しめるという点で、魅力的な作品。


◎過去の記事◎
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(9)~(12)』
さよなら絶望先生 久米田康治 講談社 既刊21巻



ネガティブ教師の糸色望と、彼が担任するクラス、2のへ組の生徒が展開するギャグ漫画。昨年の年末から今年の初めの時期に掲載された作品を収録。

表紙が主人公の糸色望ではなく、女生徒に変わってから早1年。このパターンももはや定着といったところか。

前巻で連載200回を突破したものの、正直気になっていたのが自虐やメタなネタの多さ。若干加減しないと冷めてしまうなと心配していただけに、今回の収録作は純粋に楽しめる話が多くて安心。大爆笑ではないけれど、マグニチュードの小さな笑いが断続的に訪れるような感覚。

隙間に入り込む「スキ魔」、値踏みをする「ねぶみ小僧」という1回きりの登場となるであろうキャラクターが現れる話、節分で豆ではなく豆知識を撒いたゆえに、それを食べた鳩が賢くなってしまうという超設定を取り入れた話は、少し前の絶望先生を彷彿とさせるネタ。さらに、噛み合わない議論を「対極拳」と名付けるなど、独特のネーミングセンスも健在。もちろん、現代社会に対する的確な突っ込み、風刺も忘れない。「絶望した!」の台詞もバッチリ聞くことができた。何だか、かつてこの漫画に出会い、面白いなと思った頃の感覚が蘇ってきたように思える内容だった。

ちなみに、今回表紙の彼女は、最近すっかり登場頻度が低くなっている模様。使い勝手が悪いのかな。


●過去の記事●
『さよなら絶望先生(1)~(19)』
『さよなら絶望先生(20)』
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊16巻



生徒会メンバーは、3年生に進級。進級早々、2年次に転校してきた生徒の暴力事件が起こり、相変わらず忙しい日々を過ごす。1学期最大の行事、体育祭に燃えた後は、いよいよ新しい生徒会の選挙となる。さらに、品川大地が、入試のときに見たあこがれの女子生徒のそっくりさんを隣の青筋学園で見かけることになり、品川の恋心に灯がともる。

夏休み前までの数ヶ月の間でも、本当に様々な出来事が目白押し。体育祭は、これぞ高校生の応援団と思えるような、1コマである。品川は、運動神経から見ると絶対的不利にある赤組の団長に就任し、朝練、昼練、夜練と練習を指揮する。団長を務めるうちに、品川の中にあったリーダーシップが徐々に目覚めていったり、不良として怖がられていた2年生の北見が思わぬダンスの才能を発揮したりといった、ドラマも描かれる。ひたむきに努力する彼らの姿を見て、彼らの通う紋白高校に憧れを抱く人は多いだろう。

生徒会選挙を巡る攻防の過程では、紋白高校の入試における「不良枠」という秘密が明かされる。何と、入試の一部に元不良で真面目に頑張りたいという意志を持った生徒を優先的に入学させる枠があったのだ。あまりに突飛な設定でありながらも、現実にそんな学校があれば面白いなと思ってしまう。北見のように、周囲から「不良」というレッテルを貼られ、強がってながらも、本当はクラスメイトと友達になりたいと素直に願っている者もいる。反対に、一見普通に見えても、心の内に問題を抱えた者だっている。そんな彼らが、人と人が関わることによる相互作用を受け、自分の居場所を見つけていく姿は、微笑ましく、頼もしい。

最後に、忘れていたかのような恋愛という側面も扱われる。きっかけは、紋白高校の生徒会が隣の青筋学園に訪問して、特別授業を行ったこと。品川にインタビューを求めてきた、青筋学園の生徒会書記、水戸すばるは、品川が紋白高校の入試のときに出会った憧れの人物と瓜二つ。結局人違いに終わるが、水戸は、品川へ恋心を抱くことになる。

高校3年生になってから、話のスピードはダウン。短い時間内にも色々な事件が起こる。主人公達の過ごす時間の密度が濃くなり、時間がゆっくりと流れるようになったと考えれば、不自然なことでもないかもしれない。


▽過去の記事▽
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
『ヤンキー君とメガネちゃん(5)~(8)』
ヤンキー君とメガネちゃん 吉河美希 講談社 既刊16巻



学校一の問題児とされる品川大地が、メガネをかけた元不良の学級委員、足立花に振り回されつつ、学校生活の楽しさに気付いていくという物語。元引きこもりの千葉、転校生の姫路、元暴走族の和泉を交えた生徒会が本格始動する。生徒会メンバーは、学内の問題解決に奔走しつつ、修学旅行や文化祭といった学校行事にも取り組み、高校2年生を過ごす。

前回の記事で、ドラマ化したら人気出そうという記事を書いたところ、今春からドラマ化が決定した模様(公式HP)。やはり、自分が考えるようなことは、ばっちりテレビ局の人間も考えているようです。

足立と品川が繰り広げる破天荒なギャグ漫画という路線から方向転換し、生徒会メンバーと、他の生徒との交流、主人公の成長に焦点が置かれるようになる。主人公たちが通う紋白高校には、外から見れば普通でも、実は問題を抱えている生徒が多い。そのような生徒に、学校での居場所を見つけてもらいたいというのが、前生徒会長、秋田のメッセージ(実のところ、秋田自身、裏を持った人物)。生徒会の各面々が、自分の経験や特徴を活かして、問題とぶつかっていく。ギャグ漫画に留まらず、青春物の体裁を帯びてきた。

それでも、驚いたときのオーバーリアクション、表情など、ギャグ漫画的な良さは残る。温かみが増したストーリーと相俟って、読むと元気がでる漫画になっている。


◎過去の記事◎
『ヤンキー君とメガネちゃん(1)~(4)』
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