S線上のテナ 岬下部せすな 芳文社 既刊6巻
響恭介は、苦学の末音大を卒業し、自宅でピアノ教室を開きつつ、作曲をして暮らしていた。しかし、交通事故に遭って意識を失い、目を覚ました時には、身の回りのものすべてに譜面が見えるようになっていた。退院し、外を歩いていた時、命の調律師テナに出会う。命の調律師とは、世の中にある乱れた音を調律して、悪質な音符を回収することだという。テナは、恭介自身に寄生した悪質な音符に導かれて来たのだった。しかし、話している途中、恭介が自分よりも先に悪質な音符の存在に気付いたことから、恭介の音符を回収せず、むしろ音符回収を手伝わせようと考える。そうして、テナと恭介の共同生活が始まるのだった。
最初は恭介をただの家来としか思っていなかったテナだが、徐々に恭介への想いが強くなっていく。しかし、強がりなため、なかなか素直になれない。
恭介は、貧乏で決して一流の作曲家とは言えないが、音楽で人を楽しませたいという信念を持ち、勉強熱心でもある。ピアノ教室の生徒からの信頼も厚い。そんな恭介の周囲にいる人々は、徐々に彼から影響を受けていく。テナはもちろんのこと、後に出会うエリート調律師アルンも同様である。
一方、物語は徐々に核心に迫っていく。調律師に課せられた本当の目的とは?恭介に寄生した音符の意味とは?少しずつ、だが確実に、恭介達の周りで事は進行している。今後の展開はどのようになっていくのだろうか。
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