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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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それでも世界は美しい 椎名橙 白泉社 既刊2巻



突如太陽の王国に嫁ぐことになったニケと、王国の王、リビが過ごす、ちょっと心が温かくなる日々を描いた物語の第2巻。婚約の大典を行おうとした2人に、神官庁から課題が与えられる。

ニケに、この世界も捨てたものではないと教えられ、徐々に心を開いていくリビ、そして、初めは生意気な子どもくらいにしか思っていなかったリビに惹かれていくニケが描かれるのが1巻だった。2巻では、愛を育みつつある2人に、神官庁から試練が与えられる。そもそも、合理的ながら圧政を敷くリビの手法に不満を抱き、身分の低いニケが王女になることにも反対していた勢力は、何としても2人の結婚を破談させたかった。しかし、そんな障害も、今の2人が協力すれば、乗り越えられるもの。婚約の承認を得ようとして試練に向かう過程で、2人はますますお互いへの想いを深めていくのだった。

ところが、物語は穏便には進まない。宰相バルドの登場により、2人の仲に再び亀裂が走ることに。今こそ、互いを信頼し、愛せるかが試されている。新たな試練に直面する2人を応援したい。

相変わらず庶民感覚を忘れないニケの振る舞いに和まされる。また、リビがたまに見せる王女を思いやる行動は、かっこ良すぎる。ちなみに、巻末のおまけ漫画、「概ね、世界は美しい」は、遊び感満載で、楽しめる内容。


●過去の記事●
『それでも世界は美しい(1)』
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あまんちゅ! 天野こずえ マッグガーデン 既刊5巻



高校生、"てこ"と"ぴかり"による「日常、ときどきダイビング。」をテーマとした作品の第2巻。メインで描かれるのは、2泊3日の夏合宿。宿での出来事、ナビゲートの練習など、てことぴかりをはじめとするダイビング部のメンバーは充実した時を過ごす。他にも、花火大会の話など、十分に夏を満喫している様子が描かれる。全体的に横いっぱいに紙面を使ったコマが多く、横に広がる海の景色が見事に描かれている。

今回、てこは新たに自分を振り返って成長するきっかけを得る。ぴかりがいないと何もできない自分に別れを告げようと、ナビゲートでは見事に1人で目標を達成したてこ。しかし、そのような自分はあくまで夢の中のにいるような自分であり、気付くとまた、新しいことに対して怖気づく現実の自分がいると、てこは悩んでいた。そんな折に、てこは火鳥先生から言葉をかけられる。悪いことも現実であるけれども、良いこともまた、現実なのだと。引っ込み思案であったてこが、周囲に人に影響され、徐々に考え方や行動を変化させていく過程という、1巻や2巻で描かれていた本作の重要なテーマ、原点に戻ったような気がする話であった。

5巻で夏休みが終わり、次回からは秋に突入するそうだ。本格的なダイビング部の活動が一旦終わろうとしているが、きっとダイビング部は、それぞれの季節で楽しみを見つけ、充実した日々を送るのであろう。


☆過去の記事☆
『あまんちゅ!(1)(2)』
『あまんちゅ!(3)』
『あまんちゅ!(4)』
空が灰色だから 阿部共実 秋田書店 既刊3巻



表紙の「心がざわつく」というフレーズに惹かれて購入した本。オムニバスだから、3巻からの参入でも影響が少ないかと思い、突如最新の3巻を買ってみた。

思春期を過ごす少年少女の日常を描いたのが、本作。しかし、いわゆる「日常系」とはかけ離れた、本当の日常が描かれる。特に、思春期特有の感情の描写が鋭い。万能感と優越感に浸り、他人とは異なった個性を求めつつも、他人と違い過ぎることを極端に恐れ、ふとした瞬間に孤独を感じ… そのような感情に、作者はとことん迫る。そして、時に共感的な温かい視点で、時に皮肉とユーモアたっぷりの筆致で、葛藤に苦しむ少年少女の心を曝け出す。

本作に触れていると、大人になるにつれ、いつしか遠くのもののように霞んできてしまった気持ちが、鮮やかに蘇ってくる。思えば、年齢を重ねるにつれ、徐々に青春の痛みは忘れ去られ、思い出は美化されるものだ。しかし、本作がこれでもかと投げかけてくる青春の日々の苦しさ、辛さ、孤独を目の当たりにし、作中の少年少女の心の叫びが聞こえたとき、読者の心は多感な青春時代に引き戻される。そして、読後には、まさに「心がざわつく」経験が訪れる。

もちろん、青春時代真っ只中の読者であれば、共感せずにはいられない思いに駆られるかもしれないが、青春時代を忘れ去った人も十分に入り込める世界が広がっている。
三島凛は信じない! 倉薗紀彦 アスキー・メディアワークス 既刊2巻



才色兼備の女子高生、三島凛と、彼女が自ら作ったオカルト撲滅研究会(通称O.B.K)のメンバーが不思議現象を否定すべく奮闘する物語の第2巻。今回は、座敷童子やドッペルゲンガーの謎に挑む。

傍若無人な三島凛に、主人公の芥川周太郎、谷崎綾目、有栖川が振り回されながら、不思議現象の裏にあるトリックが次々と暴かれていく。そして今回も、凛が謎を解明した後、彼女が知らないところで謎が残り続けるという形式は継承。座敷童子の話では、旅館の主人が行った捏造が見事に暴かれた後になり、周太郎は本物の座敷童子を見ることになる。そして、そのとき有栖川が周太郎に語ったことの真相とは。謎に続く未解決の謎は残る。

今回少し変化球だったのは、ドッペルゲンガー現象の解明。ドッペルゲンガーの正体は意外な人物であり、微笑ましい後日談も描かれるのだが、未解決の謎は一切残らない。

凛に振り回される日々に対して周太郎が多少の愛しさを感じることになる挿話もあり、ますます『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公、キョンのようになっていく周太郎。高校に入学したかと思えば、あっという間に高校2年生が迫ってきた。今後のO.B.Kの活動にも注目したい。


◎過去の記事◎
『三島凛は信じない!(1)』
VIVO! 瀬川藤子 全3巻



面倒くさいことが嫌いで、あくまで自分主義を貫く教師、仲村渠豊寛、通称ナカムラと、同僚、顧問を務める架空物具現化同好会に集まった生徒達との交流を描いた物語の最終巻。生徒は3年間過ごした高校を巣立ち、それぞれの未来へ向けて旅立っていく。

自分主義の適当教師の物語もこれで終了。そもそも、一般の青春漫画といえば高校2年生や1年生を扱うのが定番であるが、本作は高校3年生を中心に据えている。前者がいつまでも終わらないかのような無限の時間を感じさせるのに対して、後者はしっかりとタイムリミットを意識させる。この物語は、本来始まった瞬間に終わりを予告させるものだったのだと、今更ながらに気付いた。それだけ、作中の生徒、住吉が思っているように、このまま終わって欲しくないという気持ちが強かったのかもしれない。

今回も、破天荒ながら最終的には帳尻を合わせてしまう、ナカムラの見事な才能が光る。自殺癖を持つ生徒とのやり取りでは、結果的に生徒だけでなく新人教師の手助けまでしてしまうし、交通費を使い果たして家に帰れなくなった住吉の捜索では、住吉本人が学校を巣立つことの意味について考えることになった。

そして、そんなナカムラ節の集大成が、卒業式の日に同好会の生徒の1人ひとりに掛ける言葉だ。本人は、ろくに生徒の方も見ないで、適当な素振りで話すのだが、実はその言葉は生徒の心の奥にしっかりと染み渡り、辛くなったとき、生き方に迷ったとき、ふとした機会に思い出されるのであろう。このような場面もお決まりの感動のシーンのようにならないのが、本作の小気味良いところ。「なんだかんだであの子たちの事よく分かってますね」と傍でコメントを聞いていた東本が言えば、嫌な顔を見せる。やたらに恩着せがましい教師より、さっぱりしていて良いではないか。

痛快であり、それでいて肩に力を入れずに読むことができる、稀有な作品であっただけに、終了は残念。引き際の潔さがあると思うべきか。


◆過去の作品◆
『VIVO! (1)』
『VIVO! (2)』
たらのめ高校吹奏楽部 たかなしせーじ マッグガーデン 全1巻



たらのめ高校吹奏楽部は、毎年全国大会に出場するほどの強豪であるにもかかわらず、部内は変人の巣窟であった。変人達の繰り広げる日々の風景、コンクールでの様子を描いたギャグ漫画。

吹奏楽部漫画でありながら、楽器が出てくることが少なく、ほとんどは部活で集まった人間同士のおバカなやり取りで構成されている漫画。比較的まともと言える1年サックス蕨原と井上を主役に据え、変態の別所、あだ名が部長の浅尾、顧問の真木先生を交えて、日常のドタバタが描かれる。正直、吹奏楽部漫画としての期待を持って本作を手にした人は、あまりに楽器と離れた話が多く、面食らってしまうだろう。特に、楽器を描くのが面倒になったという事情から発想を得たという、楽器にすべてモザイクをかける第9話(本作の数え方では「第9小節」)など、賛否両論を巻き起こすに違いない。

作者は吹奏楽部出身らしく、練習風景やコンクールでの様子など、時折そのような背景を持った人にしか為し得ないような描写があり、真面目にやれば、それに見合った真面目な作品になったとも思えるのだが。2年生サックス別所の変態ぶりが歯止めを知らず、1年生トロンボーン3人組の暴走が恐ろしい。そして、フルートやクラリネット、トランペットは完全なモブキャラ扱いで、名前を持った人物が登場しない。せっかく、先輩と後輩の心温まる話もあるのに、部活漫画としての雰囲気が崩壊してしまっている。

ギャグ漫画としては楽しめる内容もあるので、作者にはまた趣の異なった吹奏楽部漫画を描いて、自らの経験を存分に発揮してもらいたいと心から思った。
BLOOD PARADE 唐沢一義 スクウェア・エニックス 全2巻



吸血鬼によって家族を失ったジルは、吸血鬼の対策を行う国際機関、国際安全保障局(ISS)の職員となり、すべての元凶となった吸血鬼の真祖を討伐すべく、日々職務に励んでいた。ところが、専属のボディーガードとして就いたルナは、真祖その人であった。ルナの願いは吸血鬼の殲滅。ジルは、自らの敵としてきた真祖の正体に戸惑うのであった。

物語は一気に進展し、十二使徒が登場したり、ジルの弟のカベルが吸血鬼となって現れたりと、目まぐるしい展開。そして、ジルの心臓に隠された秘密やカベルの本当の想いなどが明らかになり、物語はクライマックスを迎える。

まだまだこれからというところで、最終回を迎えなければならなかったのは、非常に惜しいところ。ジルは1つ問題を乗り越えたとはいえ、最終的には自らの手でルナを消去しなければならないという問題は、決着のつかないままである。ジルのためを思って、胸の内に真実を仕舞い込んでいた、ISS局長や、カベル。その想いを知り、自らの使命を果たそうとするジルの姿をもう少し見ていたかったし、必ずや訪れるルナとの別れの場面も見たかった。

Gファンタジーらしい世界観で描かれた、名作の香りのする物語だっただけに、非常に残念。


+過去の記事+
『BLOOD PARADE (1)』
彗星★少年団 倉薗紀彦 ぶんか社 全1巻



秋が深まりつつあるこの頃、やや季節はずれの感は否めないが、過ぎ去った夏の思い出に浸るのに向いているかもしれないのが、本作だ。作者は、あの『魔法行商人ロマ』の倉薗紀彦。

主人公の星川るいは、母の療養のため、東京から田舎に越してくることになった小学5年生の女の子。初めは不安で一杯だったるいも、やがては学校の友達とかけがえのない日々を過ごすようになる。

ある日、ひょんなことから出会った近所の高校教師、野間に影響を受け、るいとその友達は、72000年に1度しか地球の軌道付近を通らないという、世紀の彗星を見ようと計画を立てる。るい達は、彗星少年団と呼ばれる。

彗星がモチーフになっているのはもちろんだが、実際には小学生の日常のおかしな光景や、誰もが1度は経験したことのありそうなエピソードが6ページほどの長さで描かれる形式である。舞台を田舎に設定することで、昔懐かしい香りのする思い出の数々が蘇ってくるような感触を覚える。私自身は、「昔は良かった」などと言って現代を否定的に見るノスタルジックな物言いは好きではないが、るいとその仲間が過ごす何でもない日常の1コマ1コマが心に染み渡ってくる。

物語の中の時は確実に過ぎ、中学生になる直前に、るいは東京へ戻ることになる。小学生の物語はそこで終わるが、最後の1話で、彗星少年団のその後を知ることができる。小学校の教師となって、自らが小学校最後の2年間を過ごした地に戻り、また過去の自分と同じような子どもたちと触れ合う主人公。そして、生まれ育った地に残り、それぞれの人生を歩む他のメンバー。彗星を見たときに野間先生が発した「めぐる」という言葉の意味について考えさせられるラストになっている。

ちなみに、作者によるあとがきは結構な分量があり、作者の作品に対する思いが覗える。実は『魔法行商人ロマ』よりも前に始まった作品を、今こうして読めることが嬉しい。
彼女のひとりぐらし 玉置勉強 幻冬舎 全3巻



輿水理香は、26歳独身。フリーのイラストレーターをしながら、気ままな独り暮らしをしている。おひとりさまの切なくて愛おしい日常を描いた物語の3冊目にして最後の単行本。

ついに終わってしまったのかという残念な気持ちだ。3巻でも、独り暮らしの楽しみ、苦味が余すことなく描かれている。
ふと思い立って、三浦海岸まで出掛ける話、ひとりで初詣に出掛ける話、そして足を捻挫して途方もない辛さに遭う話… そのどれもが、独り暮らしの気楽さと、その裏にある孤独感や切なさを見事に表現している。主人公の姿を見ていると、時に笑い、時に共感し、時に胸がキュンとなる。

これまでのような流れがずっと続くかと思っていると、物語は妹の結婚式をもって最終話を迎える。この最終話が、なかなか味がある。普段気ままに生きる主人公は、決して自分の生き方に負い目を感じているわけではないのだが、いざ大企業に勤める妹の結婚式の場に居合わせてみると、いたたまれない気持ちになってしまう。その後、主人公なりに妹を気遣い、メールを送るのだが、その内容に涙する妹を見て、私自身込み上げてくるものがあった。

3年間の連載を経て、終了に至った本作品。残念ではあるが、主人公のおひとりさま生活は、まだまだ続きそうな気がする。最後に、輿水理香にエールを贈りたい。


■過去の記事■
『彼女のひとりぐらし(2)』
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコ スクウェア・エニックス 既刊2巻



理想的な高校生活を描いていたが、現実は厳しかった。女子高生であるだけでモテるというのは錯覚であり、それどころか女子からも相手にされず、容赦なく訪れる寂しい日々。そんな毎日を過ごす女子高生、黒木智子は、夏休みを迎えて焦る。しかし、何も進展しない。他人と関わらずに7月を過ごしたり、親戚の子が来るからといって、妙に粋がってみたり、中学生の男の子達と花火…ではなくラブホを覗いたり、声優のイベントに参加して興奮してしまったりと、残念な毎日を積み重ねていくうちに、夏休みが終わる。

小中高生にとっては、夏休みも折り返しを迎えて、残すところ僅かというところだろうか。そんな時期に本作を読むと、本当に切なくなる。切なくなるが、単に「かわいそう」という気持ちだけにはならず、周囲の女子をビッチ呼ばわりする智子の発言に思わず笑ってしまったり、自分に話しかけてくる男子にどう対応していいかわからずに困惑する智子の姿が微笑ましく思えたりする。

中でも、偶然男子中学生と一緒に廃デパートの屋上でラブホを覗くことになってしまった話では、人と一緒に同じものを見ることの楽しさに感動する智子の姿を見て少しだけ胸が熱くなってしまった。

1人の寂しさを感じたことのある人なら誰でも、智子の魂の叫びに共感できる部分があるのではないだろうか。卑屈な態度や周りを小バカにした発言も、今の自分をどうして良いのかわからない、主人公の行き場のない気持ちゆえ。読んだ後に、微かな笑いと切なさが入り混じった気持ちになる。だけど、しまいには主人公に愛おしさを感じ、応援したくなってしまう。今回も、そんな思いを抱いたのだった。

ちなみに、巻末の作者のあとがきも必見。「高校の時の一部の人間以外のクラスメイトと野球部への憎しみを忘れず」って・・・ 智子の叫びは同時に作者の叫びでもあるのか。


◇過去の記事◇
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)』
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