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自分が読んだ漫画の記録です。昔読んだものから最近のものまで、少しずつ揃えるつもりです。 コメント、トラックバック、お気軽にどうぞ。
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ZOMBIE-LOAN PEACH-PIT スクウェア・エニックス 全13巻



紀多みちるの正体とは、薄荷が世界に背理を蓄積して崩壊させるための刺客、シンギュラリティであった。生きることへの執着が薄いという特徴も、実はイレギュラーに命を与えられ、生き永らえた存在であることに起因していたのだ。七人委員会からは背理として消去の対象になってしまったチカとシトは、攻撃をかわしつつ、みちるを救おうと奮闘する。2人の声が届いたとき、みちるが下す決断とは・・・

ずっと機会を逸していたZOMBIE-LOANの最終巻レビュー。長い休載期間を経て発売された13巻は最終巻となってしまった。最終巻は、ここまでに出てきた人々すべての生き様、願いが結晶となったような内容だった。生きることに執着し続けたチカとシト、生きる意味や目標について自問し続けた芝、「エリザベトの仔」としての定めを受け入れ世界を救おうと戦う修司など、それぞれが自らの信念に従って、薄荷の陰謀を阻止しようとする。そして、みちるもその例外ではなかった。イレギュラーな存在としてこの世に送り込まれた駒に過ぎなかったみちるも、数々の人との出会いを経て、自らの意思を持った存在となり、皆の幸せを願う。

作品で最後まで貫かれたのは、運命に抗えというメッセージだったように思う。たとえアカシックレコードに刻まれた運命が待っているにしても、それに抗う過程があれば、定められた運命が持つ意味も変わり、場合によっては自分の前に敷かれた運命のレールから脱線する可能性も生まれてくるのだ。物語の最後にみちるが下した決断、「たとえZローンに関わる記憶が皆から消去されようと、あるべき位置まで世界の時間を巻き戻す」も、皆と出会うことで心が大きく揺さぶられ、格好悪くても生にしがみつくという強い想いゆえのものであると思う。

運命のいたずらなんて、案外そこかしこに起こるもの。そう思わせてくれる余韻を含んだ最後の1コマが印象的だった。


■過去の記事■
『ZOMBIE-LOAN (1)~(12)』
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アンの世界地図~It's a small world~  吟鳥子 秋田書店 既刊2巻



酒浸りの母親のもとから家出したロリータ服の少女、アンは、家出先の徳島でアキと出会う。古民家でアキとともに暮らし、様々なことを学ぶにつれて、そして、近所に暮らすマサキやキヨヒコといった男性との交流もあり、アンの世界は少しずつ広がっていくのだった。さらには、アンは割ってしまったお茶碗の代わりを見つけようと訪れた店先で、ドイツ人の幽霊にまで出会う。

2人の少女の徳島生活日記の第2巻が発売された。都会で育ったアンにとっては、アキが身につけてきた田舎で質素に暮らす知恵はどれもが新鮮で、驚きの連続だった。そして、非常にアクが強いのが、近所に暮らすマサキとキヨヒコだ。不良少年だったが、マサじいの教育を経て雀鬼へと成長したマサキは、人間に対する理解が深く、彼の言葉には常に温かさと重みがある。一方、キヨヒコは大きな神社を持った神主のもとに生まれたため、アンとは正反対に裕福で躾に厳しい家庭教育を受けてきたが、それゆえに息苦しさを感じている。アンとは好対照をなす人物だ。

そして、物語は急展開を迎える。きっかけは、アンがアキのお茶碗を割ってしまい、新しい茶碗を買おうと地元の陶器店に出掛けたことだった。店員がいないため、1度は入店を諦めたアンだったが、店のそばの洞窟に入り、ドイツ人の幽霊と出会う。その幽霊が話すことは、どうもアキの出生の秘密へとつながっていきそうな内容だ。物語は過去のドイツへと舞台を移す。

愛情に飢えたアンのもとに、幸せが訪れる日を祈る思いで3巻の発売を待つ。


■過去の記事■
『アンの世界地図~It's a small world~(1)』
高橋さんが聞いている。 北欧ゆう スクウェア・エニックス 既刊3巻



現役女子高生アイドルでありながら、盗み聞きを趣味とする高橋エナが、クラスメイトの委員長、奈良と地味系男子、御影の会話を盗み聞きし、心の中で会話にツッコミを入れるギャグ漫画が、早くも3巻を迎えた。勢いが衰えるのを心配していたが、3巻に来ても勢いは止まらない。

仕事に詰まったとき、2人の男子高校生の会話を聞いて突破口を見出し、エナがアイドルとして成長していくのがこれまでの内容であったが、それに加えて、奈良と御影の喧嘩、エナの意に介さないうちにいつの間にか敵キャラとして君臨しようとする人物の登場など、ところどころにスパイスが効いていて飽きない。

3巻の終わりに収録されている、新学年が始まって間もない日のエピソードも面白い。周囲の生徒から話しかけにくい雰囲気があり、孤立しそうになっているエナ。いつの間にか男子更衣室に入り込んでしまい、あわや変態の名を着せられてしまう絶体絶命のピンチを迎える。しかし、大ピンチの中で出会ったのが、奈良と御影の会話なのだった。その時の2人のやり取りはこれまた抱腹絶倒の内容だ。是非単行本で読んでみてもらいたい。ちなみに、会話に入っていた御影でさえ忘れていたネタを、エナはしっかりと記憶している。相変わらず変なところで高スペックを発揮している主人公だ。


▼過去の記事▼
『高橋さんが聞いている。(1)』
となりの柏木さん 霜月絹鯊 芳文社 既刊8巻



オタクな高校生、桜庭雄斗と、隠れオタクの美少女、柏木琴子が繰り広げるラブコメの第8巻。留学生のティナが入ったことで、急速にお互いの気持ちを意識し始めた2人だった。高校3年生の夏が近づき、徐々に受験を意識する中、雄斗は柏木さんと同じJ大学を志望校に選択し、難関大合格に向けて努力を始める。そして、制服が夏服に変わって間もない頃、雄斗は誕生日を迎え、柏木さんからは思わぬ誕生日プレゼントをもらう。長らく温めてきた思いが徐々に芽生えつつあるように感じられる夏が始まる。

青春の甘酸っぱさに溢れた作品も、ついに8巻の発売となった。受験や誕生日を経て、確実に近づいている雄斗と柏木さんの距離だったが、柏木さんは未だにその気持ちの何たるかに自信が持てないようである。じれったさを感じる展開ではあるが、2人の恋愛は温かい目で見守りたくなる。

一方、雄斗の友人の和樹と、柏木さんの友人の清花の関係は絶好調である。雄斗と柏木さんを尻目にどんどん進展していく2人の仲は確実に深まっていく。

次の巻では、留学生のティナの恋人コウが登場しそうである。柏木さんとの間で一悶着ありそうな予感がするが、雄斗と柏木さんがこれを乗り越えてさらに関係を進展させられると良いと願う。


◇過去の記事◇
『となりの柏木さん(1)』
『となりの柏木さん(2)』
『となりの柏木さん(3)』
『となりの柏木さん(4)~(7)』
せっかち伯爵と時間どろぼう 久米田康治 講談社 既刊4巻



短い時間を移動し、各時代の様々な地域に点在し出現しているという上人類。その底辺に属するサンジェルマン伯爵が、現代に暮らす人類のもとに降り立ち、毎回ハプニングを起こす物語。上人類の暮らしぶりが次々と明らかになっていく。

下ネタ中心のドタバタ劇からやや趣向が変わり、現在普通に暮らす人類とは一線を画した上人類の暮らしぶりに焦点を当てたのが、第4巻だ。地球上で起こっている超常現象やちょっと不思議に思えることの大半は上人類によってなされていることが原因だという語り口はなかなか面白い。怪奇現象、天才子役は上人類と関係が深いというネタや、3Dならぬ4Dプリンターや4D映画といった「次元の違う」遊びに興じる上人類の生態など、興味深さすら感じるギャグである。人類のはるか上をいく上人類という設定が活きた絶妙な切り口であった。


◎過去の記事◎
『せっかち伯爵と時間どろぼう(1)』
『せっかち伯爵と時間どろぼう(2)(3)』
クジラの子らは砂上に歌う  梅田阿比 秋田書店 既刊3巻



砂漠に浮かぶ船「泥クジラ」の平穏な社会は、突如現れたピエロの面を被った人々「スキロス」の襲撃によって危機を迎える。超能力の使えない長命な人間達で構成される長老会は、一旦は「泥クジラ」を砂の海に沈めようと決意するが、首長スオウや超能力使いの人間達はその意見に反対し、スキロスの襲撃に備えて戦争の態勢を整えようとする。これまで戦争の経験などない泥クジラの人々であったが、彼らなりに周到な作戦を練り、スキロスとの戦いを始めるのだった。

徐々に注目を集めつつある本作。泥クジラの民は、選択を迫られる。罪人とされてきた者として、静かに船を沈めて死を迎えるのか、外からの襲撃に対して最大限の抵抗を示すのか。そして、民の選択したのは後者であった。潜在的には高い超能力を持つ泥クジラの民は、訓練によって戦闘向きに力を使う術を身につけていく。また、主人公のチャクロは、特に能力の高い超能力使いの少年少女とともに、敵艦の奥にある船の原動力「ヌース」の破壊を目指して、敵陣進撃の作戦を練る。自分達の仲間をこれ以上失わないという大義において、平穏な暮らしをしてきた泥クジラの人々までも戦争へと向かっていく。理不尽な攻撃に対する防衛ではあるが、悲劇に次ぐ悲劇という無限ループに陥る危険性も秘めていて、戦争の悲劇が生まれる過程はこのようなものなのかもしれないと考えてしまった。

子ども達を守るために自ら身を投げ打って死を迎えることとなった長老は、「ずっと未来まで生きてくれ」と願う。戦争を選んだ泥クジラの人々に再び平安が訪れることはあるのだろうか。


■過去の記事■
『クジラの子らは砂上に歌う(1)』
『クジラの子らは砂上に歌う(2)』
外つ神 斎藤岬 幻冬舎 全10巻



突如外つ神守として妖の管理を任されることとなった、高校生の鳴神匡が、同級生の野々宮千影、副担任の狐塚嵩臣、その従妹の咲、狐塚の友人のヴァンパイア・クォーターの百鬼冬麻らとともに、悪霊退治に奮闘する姿を描いた物語も、ついに幕引きとなった。鳴神家の2階で封印されていた、真菰凛音が現れてから、すっかり事件続きの匡達だったが、いよいよこれまでにない強大な陰謀を持った人物が登場する。カラフルな表紙が目印の本作の最終2巻は銀、そして金色の表紙となった。

千影と凛音の2人から好かれ、困惑する匡。修学旅行なども絡み、今までで最高レベルにラブコメ要素満載となった終盤であったが、そんな日常を裏に、密かに巨大な計画が進んでいた。首謀者は、かつて鳴神家にも登場した外つ神守、御厨であった。彼は、魔王クラスの力を持った妖の力を得て、世界支配を企んでいた。ここにきて、最強の敵と対峙することになった。

無事御厨の陰謀は阻止し、平和になった世界。匡にもこれまでと変わらない日常が戻ってきた。相変わらず、千影と凛音のどちらを選ぶでもない状態の匡は、ある意味でハーレムエンディングを迎えたとも言えるのか。作者もあとがきで語っているように、今後の物語がまだまだスピンオフででも続きそうな予感すらさせる終りであったが、外つ神守の物語はひとまず終結した。作者は既に次回作に取り掛かっているようで、まずはその発売を楽しみに待つとする。是非、また外つ神の続きを読みたいものだ。


◆過去の記事◆
『外つ神(1)(2)(3)』
『外つ神(4)(5)』
『外つ神(6)(7)』
orange 高野苺 双葉社 既刊3巻



高校2年生の自分に届いた10年後の自分からの手紙。転校生の翔を救ってくださいと書かれた手紙に戸惑いながらも、自分なりに翔の助けになろうと決めた菜穂だった。そんな折に、実は友人の須和にも同じような手紙が届いていたことを知る。運命を変えるべく、2人は協力することを誓い合う。

長野県を舞台にした青春物語の第3巻。未来の自分から来た手紙を頼りに、転校生の翔を救おうとする菜穂と須和だったが、自分達が未来を変えようとすることで、本来起こりえなかったことも起こっていることがわかり、自分達がすべきことは何なのか、確信が持てなくなってしまう。翔と見事両想いになった後も、翔の背負うものに対して自分がどこまで力になれるのか不安になり、一歩を踏み出せない菜穂。それでも菜穂と須和の2人は動く。翔の幸せのためを思って、という軸からぶれないように。本当は菜穂のことが好きなのに翔との恋愛を応援しようとする須和の行動がイケメンすぎる。

3巻のラストでは、他の友人達も皆未来の自分から手紙を受け取っていたことを告げる。将来の翔と自分達のために、皆が動き出そうと決めるシーンは青春らしさ全開で心が躍る。切なさの中に秘められた微かな希望を頼りに、今後も見守っていきたい。


☆過去の記事☆
『orange(1)(2)』
せっかち伯爵と時間どろぼう 久米田康治 講談社 既刊3巻



人類よりもはるかに進化し、時間移動を可能にした上人類に属するサンジェルマン伯爵が、現代に暮らす人類のもとに降り立ち、毎回ハプニングを起こす物語。上人類にとって、時間は最も貴重なものであるが、その時間を人類の中で最も無駄に消費しているのが、日本の高校生、時只卓である。彼らを中心にしたしょうもないギャグは絶好調で、3巻では1冊にわたって卓の冒険が描かれるという新しい試みも見られた。

相変わらず、絶望先生終了後は下ネタのタガが外れたようで、ギャグの基本は下ネタである。よくもまあこんなに思いつくものだと感心してしまう。また、積極的に描かれる有名人達も、本作の売り。大ヒット映画の主演男優やら、ニュースを騒がせたあの人やら、続々と登場して見事にネタにされている。

本作は時が重要なテーマになっているので、作品自体が時を意識させることが多い。第1巻の冒頭から読者を引き込んだ、まずオチから見せて、徐々に時を遡りながらオチに至る過程を辿っていくという手法は、3巻の時只卓冒険譚でも用いられている。

どこに向かおうとしているのか、若干心配な部分もある漫画ゆえに、今後も見守っていきたい。


◎過去の記事◎
『せっかち伯爵と時間どろぼう(1)』
月刊少女野崎くん 椿いづみ スクウェア・エニックス 既刊5巻



大人気少女漫画家の男子高校生、野崎梅太郎と、彼を取り巻く人達によるコメディの第5巻。季節は夏を迎え、演劇部の夏合宿など行事は盛りだくさん。相変わらずボケとギャグに溢れる展開は、爆笑必至だ。

テレビアニメ化もされ、話題沸騰の本作。雑誌編集者の2人が表紙を飾ろうとは、おそらく連載当初は作者も想像していなかったであろう。野崎を中心とした高校生たちのちょっとずれた日常の1コマはもちろん、雑誌の表紙デザイン決定の舞台裏や、作品の設定が他の作品と重なってしまう事件など、漫画に関する小話が充実しているのも、本作を読む楽しみの1つだ。

野崎と佐倉、若松と瀬尾の関係は、近づきそうに思えて、なぜか距離が縮まない。少女漫画のタッチで描かれる作画でありながらも、恋愛要素はあくまでコメディタッチで描く作者の姿勢がすがすがしいとすら思える。ますます勢いづく本作。6巻の発売も楽しみだ。


☆過去の記事☆
『月刊少女野崎くん(1)~(4)』
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